業種は決めていませんでしたが、10歳の時にはすでに社長になろうと思っていました。大学時代にした北半球一周の旅。そこに私の人生を方向付けた原体験があります。ニューヨークにあるライブハウスで見た「食事をする空間」には、カルチャーショックを受けました。おいしい食べ物があって、良い雰囲気とサービスの中で、人はなんと素敵な笑顔になれるのだろうと感動したのです。旅の帰りの飛行機の中、「24歳に外食で起業をする」と『夢に日付』を入れました。
大学卒業後は半年間経理を学び、1年間運送会社で開業資金を貯め、高級クラブで接客サービスを学び、創業するまでの日々を過ごしました。そして、日付どおり24歳に居酒屋チェーン「つぼ八」のフランチャイズ店オーナーとして有限会社渡美商事をスタートさせました。「一人でも多くのお客さまに出会い・ふれあい・安らぎの空間を提供すること」を経営目的とし、33歳の時には手作り、安全・安心にこだわったオリジナルブランド「居食屋和民」一号店を出店しました。

現在では「外食」のほか「介護」「高齢者向け宅配」「農業」など多岐に事業を展開しています。一見バラバラに見えるようですが、私たちの根底には「地球上で一番たくさんの“ありがとう”を集めるグループになろう」というスローガンがあります。この考え方が今のワタミグループの行動基準を創っています。
近年は、NPOなど社会貢献活動に対して力を入れている社会起業家のような若者が増えています。豊かな日本がもたらした副産物とも言えるのではないでしょうか。彼らが何かのきっかけで「誰かの役に立ちたい」と思い始めた時、社会において活躍できる人材となるでしょう。
私にとって仕事とは、夢を追い、夢を叶えることが、できるものです。夢を追い、その夢をかなえるプロセスの中で人間的に成長する社員の姿をいつも見ています。社員の成長、幸せは会社の成長、幸せです。それは世の中も同じで、人々が夢を追い、その夢を周りが応援することでいい街になり、いい世の中になっていくと信じています。私自身も日付の入らない見果てぬ夢を目指し追いかけています。だから皆さんにも夢を追い続けてほしいですね。