今目の前にあるもの、自分が置かれている環境は「当り前」のことではない。そのことを実感として気付けた時が、私のターニングポイントでした。モノが溢れ、豊かな暮らしを享受できる日常においては、「感謝」の気持ちを表現することは難しいと思うかもしれません。だからこそ、単純に目の前のことに精一杯取り組んでいく。その姿勢を親やお世話になった方々に見せるだけでも、感謝を伝えるに値する行為だと考えています。
そう思うようになったのは、私の幼少期の経験が起因しています。ちょうど3歳の頃、謎の発熱で、病院に運び込まれたことがありました。何とか事無きを得たものの、医者に言われたのは「あと30分遅れていたら、非常に危ない状態だった」という言葉でした。母からこの話を聞いたのはちょうど起業をした直後の頃。会社の運営がうまくいかず、行き詰っている私へ、人生の指針を示してくれていたようでした。

中学卒業後に就職した後は、様々な職種を経験し、やりたいことを探していました。その時に読んだ松田公太氏のインタビュー記事がきっかけで、自分も営業の世界に飛び込む気になったのです。「どうせ売るなら大きなものを」と思い、不動産営業の門を叩いたのでした。3社ほど同じ業界で営業の経験を積んだ後、独立。時勢はリーマンショックの最中でした。
周囲からの反対も受けながらの独立でしたが、ある意味「無知」でいられたのは私たちの武器だったのではないかと感じています。時勢に振り回されることなく、やりたいこと・目指す目標に夢中になれることほど強いものはないのではないでしょうか。ただ、起業当初は自分の我をあまりに通してしまい、社内の統制が取れなくなることもありました。その時に、母から幼少期の話を聞かされたのです。自分一人だけの命ではなく、多くの人の中で「生かされている」自分であることを自覚した瞬間でした。
それ以降は社内でも「感謝」という言葉をキーワードにお互いが成長し合える環境作りを進めています。そして、やりたいことを追求し続けてこそ、本当の「成功」に近付けるのだと考えています。ですから、皆さんにもぜひ追求し続ける夢を見つけていただきたいですね。