決して恵まれているとは言えない幼少期が、私に与えた影響は大きいものでした。写真館を営んでいた父は、酒とギャンブルに入り浸り、母と妹と私は夜逃げ同然で、父と離れて暮らすようになりました。高校へは進学したものの、やがて中退。家の借金を返すため、妹の学費を捻出するため、働いて家にお金を送っていました。
家の借金を返すまでは、肉体労働でお金をつくることだけに専念をしていたのですが、返済が終わってからは、「営業」という職種に興味を持つようになりました。初めて営業職に就いたのは、12~3年前のことです。リフォーム商品を売る営業だったのですが、自分が理想とするスタイルとは異なったため、転職。その3年後、不動産業界の門を叩くこととなります。
不動産の営業として初めて入社した会社は、今でも忘れることができません。自分の営業としての姿勢や想いは、この会社で育まれたように思います。「関わる全ての人のために」この会社で学んだこの気持ちは、今でも大切にしています。不動産会社でのキャリアを着実に積み重ね、ついに自ら起業しようと決意した時に、地元の市役所から連絡が入りました。

それは、父の危篤状態を告げる内容でした。夜逃げ以来、一度も会うことのなかった父ですが、亡くなる間際に「自分には娘と息子がいて、それが誇りでここまで生きてこられたんだ」と言っていたことを、知らされたのでした。2度と会いたくないと思っていた父でしたが、最期に残してくれた言葉に何とも言えない温もりを感じた瞬間でした。
なぜか、この出来事が経営者を志していた私を大きく成長させる要因となりました。本当に働くことの意味、仲間と一緒に働くことの意味、会社として社会に貢献することの意味を本気で考えるようになったのです。起業してから、2年。会社は急成長を遂げています。これからも、関わる人のすべてを幸せにしていくことが私の目標です。
これから社会に飛びだす皆さん。どんな仕事に就こうとも、どういう自分であるべきかを真剣に考えるようにしてください。もっと深く考えるようにしてください。その視点があなたを成長させ、やがて成功へと導いてくれることでしょう。