大学4年生のときに、北半球を一周する旅に出ました。その際に立ち寄ったニューヨークのお店で、「おいしいもの」があって、「いい雰囲気」の空間があって、「いいサービス」があれば、人はなんて素敵な笑顔になるのだろうということを実感しました。子どもの頃から「社長になろう!」とは思っていたので、これをキッカケに外食産業で起業しようと思ったのです。大学卒業後の2年間は社長になるための準備期間として、経理会社で経理を学んだり、運送会社で会社設立の資金を貯めたり・・・。当初の目標どおり24歳で会社を設立し、居酒屋チェーン「つぼ八」のFC店オーナーとなったのです。33歳のときに独自ブランドを立ち上げ、「居食屋 和民」1号店を出店。以後、徐々に店舗数を増やしてきました。そして現在は外食に限らず、介護や農業などさまざま事業を展開しています。

けれども、これまでの道のりが順調だったかといえばそうではありません。途中で会社を潰しそうになったことが、何度も何度もあります。ところが、酒屋さんが風呂敷包みで2000万円の現金を貸してくれたり、銀行の支店長さんが支店長決裁を遙かに超えるお金を融資してくれたりと、数え切れないほどの多くの方々に支えられたおかげで会社を大きくすることができました。だからここまで来られたのは、9割は運のおかげだと思っています。残りの1割は、「自分は成功する!」という強い思い込みによるもの。人は強く思い込むことによって、そのイメージを必ず具現化できるものです。ダメになってしまう人は、そこまで思い込むことができていない。途中で「ダメだ」と思った人は、必ずダメになってしまうと思います。
私にとって仕事とは、「自己表現」そのもの。仕事以外に、自分を表現する方法を知りません。とくに経営者は、白いキャンバスの上に自由に絵を描いて自分を表現することができる。それが社長という仕事の、大きな魅力のひとつだと思っています。これから社会に出ていく皆さんには、仕事をただお金を稼ぐためだけの手段にしてもらいたくはありません。自分を成長させるための、自分を表現するための手段にしてもらいたいですね。