大学卒業後に約18年間勤めた伊勢丹では、バイヤーとして地道に売場提案などしてきました。けれどもファッションに思い入れがあったわけでも、特別な力があったわけでもありません。「幅広いジャンルの商品を扱う百貨店なら、興味がもてる分野が見つかるだろう」と思い入社し、たまたまファッション売り場の担当に。そこで商品に対して、「いったいどこで、誰が作っているんだろう?」「なぜこればかりが売れるんだろう?」と興味をもち、あれこれ考えたり調べたりして売り場づくりに反映させていただけ。つまり、「好奇心×行動力」です。けれどもそれは、何も難しいことではないんですよ、恋愛と同じですからね。
39歳のときに「自分の力を試してみよう」と伊勢丹を退職して、福助やセブンアンドアイ生活デザイン研究所など数々の企業の経営に携わりました。そして2008年、兄のフジマキ・ジャパンに入社。今年2月には、藤巻兄弟社を立ち上げました。これらの経営を担当する傍ら、他企業の特別顧問を務めたり、特任教授として大学のブランディングを手伝ったり、シャツとトートバックを扱うショップ「CRUM」を運営したりと、枠にとらわれずにいろんな活動を行っています。そして今の夢は、メイド・イン・ジャパンの商品のみを扱う百貨店をつくること。外国のブランド品に飛びつくのではなく、みんなにもっと「日本のモノ」に興味をもってもらいたいのです。その一端として現在はJR品川駅構内エキュートにて「Rails藤巻商店」を展開しています。

自分の将来に対して不安を抱えている若者も多いと思うのですが、それはやっぱり大人のせいではないでしょうか。くたびれた大人を見て、「この人のようになりたい!」なんて誰が思うでしょう。魅力のある、お手本のような大人がいなさすぎるのです。だからこそ若い人たちには、たくさん本を読んだり映画を観たりしてもらいたい。名作のなかには、「お手本」がしっかり描かれていますからね。一部の天才を除いて、ほとんどの人はただの凡人です。凡人の才能のなさをカバーできるのは、気持ちと人間関係だけ。だからこそ常に本気で取り組み、本音でぶつかることが大事なのです。