幼少期は大家族の中で育ち、家庭環境はとりわけ裕福というわけではありませんでした。お金がなければ、知恵を出す。「知恵を出す」習慣が幼少の頃に身に付いたのは、私にとって幸運なことでしたね。大島産業の創業者として働く父の姿を見て、「仕事とは何か」「商売とは何か」ということを日々感じられる環境にいられたのだと思っています。
「プロ野球」という世界に強く憧れを抱くようになったのは9歳の頃のこと。プロ野球選手になって、家を助けたいという思いが強かったのでしょう。この野球との出会いが、私の人生に与えてくれた影響は数えきれません。高校野球の名門・箕島高等学校に進学を決めるため、単身福岡から和歌山へ旅立ったことは、わずか15歳の私にとって大きすぎる覚悟でした。そこから数えて、たった3年の野球人生でしたが、私にとっては非常に重い意味を持つものとなりました。目標達成の持つ意味、達成のために歩むプロセスの大切さは、現在のビジネスにおいても大きく役立っているところです。

プロ野球選手になることだけを夢見て突っ走っていた日々に、突然ピリオドを打ったのは、父の病の知らせでした。19歳にして、社長就任。あまりに突然すぎる出来事でした。野球を辞めた悲しみの余韻に浸る間もなく、めまぐるしい日々が幕を開けることになりました。建設業、運送業において活躍できるようになった今、「次の目標は?」と聞かれることがよくあるのですが、私はいつも「ありません」と答えています。私が先のことを言及してはいけません。日々与えられた宿題をひたむきにこなしてゆく。これが「ガンバル!!」というスローガンに込められた想いなのです。
若者の皆さんにお伝えしたいのは、「人生は引き算」だということ。人生とは、経験や知識やスキルを積み上げていけば良いものだとお思いではないでしょうか。いいえ、違います。先に夢や目標を決めたのなら、それに不足しているものを補っていけばいいのです。自分が最後に目指すゴールを定め、しっかりと引き算をしてください。後悔は最後にするものです。何度も反省をしながら、引き算を続けられる人生を送りましょう。