突然ですが、社会において最も必要とされる力とは何でしょうか。私が質問されたなら、迷わず「訴求力」と答えるでしょう。流行の言葉で言うなら、「コミュニケーション力」。しかしながら、その一歩先をいくのが「訴求力」だと思います。自分が何をしたいのか、何を求めるのか…。これらを常に発信していくことが自らの道を切り開く重要なワンステップになることは、間違いありません。いつの間にか身に付いていたこの感覚は、社会人になってからの経験によって育まれたものでした。
顧みると、幼少期の頃の私は現在と真逆のパーソナリティーの持ち主でした。目立つこともなく、引っ込み思案。それは中学校・高校でも変わることはなく、社会人になってから転機が訪れることとなります。

その転機は積水化学に勤めていた時代に訪れました。この時の経験を通じて体得したことは「地位が人を変えていく」ということです。それまでは自分がプロジェクトを仕切っていくなど、考えたこともありませんでした。しかし、与えられた地位に追いつくように精一杯背伸びをしていれば、それがやがて当り前になっていくもの。いつの間にか先陣を切ってチームをリードする存在になっていました。
やがて独立、インテグラル・テクノロジーの起業に至ります。その時に感じたのは、積水化学時代のお客様は背負っていた企業の看板とではなく、自分のパーソナリティーと仕事をしてくれていたのだということでした。お互いの要求を受け入れた上で、これから何をしたいのか、自分は何を求めるのかを話し合えたパートナーだからこそ、このような関係性が築けたのだと感じています。
これから社会に飛び出す皆さん。あなたたちを待ち構えている仕事には二つの種類があります。「やらされる」仕事と、「どうしてもやりたい」仕事。あなたが後者を選ぶならば、それがどこにあるかは誰にも分かりません。運次第であるとも言えるでしょう。ただ、できることは一つ。自分の「訴求力」を伸ばしながら、納得いくまで探し回ることです。求めることに躊躇せず、発信し続ける人になれることを願っています。