就職活動直前に読んだ大前研一さんの本に影響を受け、大学卒業後は外資系コンサルティング会社に就職。その会社はITコンサルティングを中心に展開していたので、コンサルティングの基礎やシステム開発のイロハを学ぶことができました。その後、当時アメリカでブームになっていたベンチャーに興味をもち、27歳で金融関連の外資系ベンチャー企業へ。そして28歳のとき、これまで得た知識をもっと深めたいと思い、外資系の金融機関であるソロモン・ブラザーズに転職しました。同社で働いていた仲間とともに独立したのが33歳の時。金融関連のコンサルティングやシステム開発を行う当社を立ち上げたのです。

私の経営ポイントは「何をやるか」ではなく「誰とやるか」。私に人より優れたところがあるとしたら、ものすごく負けず嫌いな一方で、人の長所を素直に尊敬し、巻き込んで、チームの力を最大限に発揮させることかもしれません。互いに信頼し、尊敬しあえるスタッフが最高のパフォーマンスをクライアントに提供する、そのための組織やシステムづくりには、気を配りました。スタッフがいいプレーをできる環境づくりこそが、経営者の一番の仕事ですからね。最近の若い人たちは、やりたいことを探すことに躍起になりすぎているような気がします。けれども私の経験からすると、何をやるかはそれほど重要ではありません。私は社会に出るまでコンピュータなんて触ったことはなかったですし、ベンチャーにも金融にもまったく興味がなかった。これまでのキャリアは仕事において常にベストを尽くし、信頼を積み重ねた結果に過ぎません。大切なのは、「目の前の仕事にいかに全力で取り組むか」です。だから皆さんには、会社に入ったら期待されている以上の結果を出すことを目標にしてもらいたいですね。もちろん、そのためにはかなりの努力が必要になります。けれども期待以上の結果を出せば、一緒に働く仲間やクライアントなど周囲の方々から喜んでもらえる。仕事をするうえで、人に喜んでもらえることほどハッピーなことはないのです。こうなるとより努力が苦でなくなり、成果もどんどん上がって、未来へのステップアップにつながっていくでしょう。