今も昔も私の目標は変わりません。人々を「アッ」と驚かせるようなプロダクトづくり。触れた時に喜びと驚きを与えてくれるモノに、幼い頃から興味がありました。今でもコンピューターとの出会いは忘れることができませんね。子ども向けの科学雑誌で、初めて「コンピューター」の存在を知った時には、言いようのないワクワク感を覚えました。人生の第一のターニングポイントだったと言えるでしょう。モノづくりへの興味、それに携わりたいという思いはこの時に芽生えていたと思います。
大学でシステム工学を学んだ後、先生に言われるがまま松下電工(当時)に就職をしました。この時代にインターネットと出会えたことが、第二のターニングポイントだと言えます。インターネット技術を使って、もっと人が驚くようなものを創りたいという思いから起業に至りました。共同起業でサイボウズを立ち上げてからは、ソフトウェア業界の市場を切り開くために尽力をしてきました。

しかし、社長就任と同時に、私は人生最大の挫折を経験することになりました。それまでは、環境や周囲の人々に恵まれ、運良くやってこられたのだと痛感する出来事に直面したのです。うまくいかない日々の中、何が足りないのかを考え続けました。その時に出た答えが「真剣な姿勢」だったのですね。この時が私の人生の第三のターニングポイントでした。本気ではなかった自分を悔い、それからは無理矢理自分の姿勢を変えていきました。そうすることで気づけたことも多くあります。10しか頑張れなかったところを、100真剣に取り組んだ時、見える世界は全く変わるのです。そういった快感を、皆さんにはぜひ感じていただきたいと思っています。
これからの時代を生きる上で最も大切なことは、自分で決めるということだと思います。安心だと思われてきた大企業が、思いもよらぬ危機にさらされることがある時代になってしまったのです。多くの選択肢の中から、何かを選ぶ・決めるということは困難なことかもしれません。ただ、確実に変化する時代の中で、自分で選んだからには真剣に進んでいけるような覚悟を持てるような大人になっていってください。