新卒時には、建設会社に入社。当時とくにやりたいことがなかったので、「とりあえず大きな会社に入ればいいか」という理由で選びました。だからその頃は、自分の将来なんてまったく考えてなかったですね。会社では情報システム部門に配属されました。毎日覚えることが山のようにあったのですが、まったく苦にはなりませんでした。仕事が大変なのは、当たり前。それはどんな仕事でも同じですからね。
その後2年弱で転職し、IT業界のシステムコンサルタントに。その後、33歳で今の会社を起業することになるのですが、きっかけはIT業界への疑問を感じたからでした。企業の合理化のためにシステムを提供する仕事をしていたのですが、あるとき調べたら欧米と比べて日本企業のIT投資額に対する効果がはるかに低かった。というのも日本には、大企業向けのパッケージソフトウェアがなく、すべてがカスタムかオーダーメイドだったからです。パッケージソフトウェアを作ることが企業のためになり、ひいては社会貢献につながる。そのような思いで、33歳のときに起業したのです。

しかしそれらの開発には莫大な資金と時間、お金がかかることから、「日本で作るのは不可能」というのが業界の常識でした。けれども優秀な人材を集めたり海外のベンチャーキャピタリストから出資していただいたりして、ノーカスタマイズ型のERPパッケージ(経営の効率化を目的として、企業の業務を総合的に管理するためのソフトウェア)の開発に成功。そして会社設立からわずか5年で、上場を果たすことができました。
プロフェッショナルというのは、どれだけ不利な環境や条件のもとでもベストなパフォーマンスができる人間のことを指すものだと思います。快適な環境や条件が整っているところでなら、誰でも成功できますからね。真のプロフェッショナルになりたければ、問題が山積みされている会社で働いてみればいいでしょう。そこで苦労しながら仕事をこなすことで、通常よりもスピーディーに自分の能力を高めることができる。そしてそうやって若いうちに身につけた力は、必ず将来の自分の糧となるのです。