父が事業を経営しており、社長として働く背中を見ながら育ちました。「かっこいい!」といつも憧れの気持ちを持っていましたね。というのも、当時の少ない情報の中で父は経済危機を予測していたのです。それは直感ではなく、猛勉強が成せた業なのだと思います。自分も父のように「分かるようになりたい」と思い、そのためには「勉強」が必要不可欠だと考えるようになりました。
また、長男であったことから少なからず「二代目」としてのプレッシャーも感じていましたね。「父のようになれるのか?」と日々不安で仕方がありませんでした。周りの気持ちに応えたい一心で、勉強を続けていました。この時に勉強の意味や目的に気づけたことが私のターニングポイントでした。「何のためにするのか・なるのか」という思考が、私の大きな軸となりました。

大学を卒業してから就職したのは、ガラス会社の研究職。学生時代から「何ができるか、何をするのか」ということについて常に考えていましたが、自らシナリオを描いて、それをストーリーとして走らせることは難しいものでした。それができるようになったのは、社会人になって3、4年経った頃。自分のストーリーを描くに足る材料を、勉強によってカバーすることができ始めた時期だったのだと思います。その後は父の会社での経験も含め、社会人としての研鑽を積んだ後、コーメーカーの起業に至りました。
現在、コーメーカーはモノづくり企業を支えるシステムづくりを行っています。私たちが大切にしているのは、最先端のカタチ。『今の日本の技術において独自の技術は、「ローテクでなければならない」』と私たちは考えています。「ハイテク」は高技術すぎる部分があり、人々が共有できないことが多いのです。多くの人が参加できなければ、やはり国にも貢献できません。これからの経済や暮らしを救うのは、独自の大発明ではなく、みんなが共有できるモノではないかと考えています。会社名のCo(共同で)Maker(つくる人)には、そんな思いがこもっているのです。共に作り、共に伝える。多くの人たちに伝えられる形で、これからも日本のモノづくりを支えていくことが私の変わらぬ目標です。