幼少の頃は、周りとは異なる感性を持っていた個性的な子どもだったように思います。その性格のまま大きくなり、高校生の時には問題児で退学処分にまでなってしまったのですが、その時に恩師が私をかばってくれたことが、自分自身が変わるきっかけとなりました。それまではすることのなかった勉強もするようになり、理系が得意だったので東京理科大学に進学しました。
大学時代は学費を稼ごうと、飲食店でアルバイトをしたのですが、その店の調理人から「おまえは商売をやったほうがいい」と言われました。当時は就職する事も考えていたのですが、アルバイトで知り合った職場の仲間たちがとても仲が良かったこともあり、大学4年の時に、アルバイト仲間と店の常連客と一緒にサイゼリヤの一号店を出店することにしました。

開業当時はお客様の入りが芳しくなく、「どうすればもっとお客様に来ていただけるのか」ということをずっと考えていました。ある時、思い切ってメニューを5割引にしたのですが、それでも来ない。さらに7割引にすると、一気に店の前に大行列ができました。その時に値段を上げることを考えるのではなく、店舗数を増やすという判断で経営した結果、自然と全国規模のチェーンになっていきました。だからサイゼリヤが大きくなる過程で、売る努力というのは特にしていないのです。とにかく「値段をもっと安く、おいしいものを提供したい」という想いで、取り組んできました。
サイゼリヤの年間客数は日本の人口と同じくらいですが、これを世界人口と同じくらいまで増やしたいと思っています。そのためには他国への出店や、農業の産業化などいろいろな課題に向き合う必要がありますし、そういうビジョンに向かって共に頑張ろうという意欲を持った人材が欲しいですね。若い方はこれから辛い状況に陥ることがたくさんあると思いますが、自分にとって嫌なことが発生した時は、それを無理に解決しようとせず、まずは我慢してみることが大切です。我慢し続けているうちにきっといろんなことが見えてきますから、ぜひ頑張ってください。