父親がネクタイの製造業を営んでいたこともあり、子供の頃から将来は起業しようと考えていました。大学卒業後、海外でのインターンシップを経て人材派遣のパソナに入社し、社長の側で実務や経営について学ぶことに。そして1996年にパソナグループで社内ベンチャー制度がスタートした時、すぐに応募したのです。やりたいビジネスがあったわけではなく、まずは起業ありき。ではどういうビジネスにしようか、ガリバー企業のいない大きなマーケットは何かと考え、Eコマースに着目しました。その中で他社との差別化を意識し、徹底した消費者本位の流通を創造しようとした結果、「福利厚生のアウトソーシング」というビジネスモデルが生まれたのです。
いざ事業を始めてみて、一番大変だったのは受注の部分。「福利厚生のアウトソーシング」と言っても、世間にはまったく伝わりません。しかし、黒字にする自信は常に持っていました。ここまでやってダメなら誰がやってもダメだろう、というくらいのアクションは起こしていましたから。「あの時こうしていれば」と後々思うのは嫌じゃないですか。失敗したとしても、全力を尽くしていれば後悔はしない。創業メンバーとの間では、それを合言葉のように言っていましたね。

人間が進歩していくうえですごく大事なことは、想像力と好奇心。その2つがあれば、環境の変化にも対応できます。例えば何か壁にぶちあたった時、それを越えようとする行動を動機付けるには「この壁の先には何があるのだろう」と自分を奮い立たせる力が必要です。モチベーションを上げるにも同じ。だから、想像力と好奇心が欠如している人、思考が止まっている人間はダメです。きっかけは他人が作ってくれるかもしれないけれど、実際に行動を起こすのは自分自身なのだから。すべては本人次第です。そして、あらゆる行動のエネルギーの基となるのは確固たる「想い」。社会全体の価値観が変わろうとしている今は、何をやるにしてもチャンスの時代だと思っています。だからこそ、若い世代には柔軟な想像力と飽くなき好奇心を活かしていろいろとチャレンジしてもらいたいですね。