大学卒業後に大手証券会社に入った当時、人一倍負けず嫌いだったこともあり、なんとかして支店でトップになってやろうと思っていました。そのためには資産を持っている方を相手に信用を得なければなりませんが、22歳の若者にはなかなか難しい。そこで考えたのが、当時始まったばかりのコンピューター取引でした。もともとは機関投資家向けのサービスでしたが、これならミドルリスク・ミドルリターンで堅実に儲けを得られるということで、まとまった資産をお持ちの個人にもご利用いただけるだろうと考えたのです。
そのころ私はPCのアプリケーションを使うことはできたので、その知識をもとに新しいサービスについて徹底的に勉強しました。それを自分の武器にしてやろう、と考えたわけですね。そしてなんとか1人か2人に利用していただいたところ、実際に儲かるのですよ。その評判が伝わって、さらに5人くらいを紹介していただき、1回あたりの取引額が大きいこともあってたちまち支店で好成績をあげるようになりました。

当時の顧客はそのサービスを利用することで損を出さなかったし、私と付き合うのがベストだったわけです。いつの時代も、そんな風に「この人と一緒にやってよかった」と思われる人になるためには、どういう方法があるのかを考えることが大事で、それは若い社員にもいつも言っています。
従来のビジネスモデルが激変している今、夢を持たない若者が多いですが、私が若いころにコンピューターを知っていて有利だったのと同じように、生まれたときからインターネットやソーシャルサービスがある環境の中で育った人はとても有利だと思うのですよ。就職を取り巻く状況は厳しいですが、たとえ自分の思う通りに物事が進まなくても、“志”を持ってあきらめないことが大切です。私も今までの人生ですべてがうまくいったわけではないですが、絶望的な状況でも動き続けてさえいれば、1年後・2年後には周りの景色が変わっていくのを過去に何度も経験しました。だから若いうちは高い理想を掲げて、その理想に自分を合わせようと四苦八苦するくらいでちょうど良いと思いますね。