叔父が事業を経営していた影響で、幼心に社長への憧れを持つようになりました。ただ、学生時代の私はまともに勉強もしない不真面目な生徒だったのが実情です。今思えば、自らを社会の片隅に追いやるようなことをしていたように感じます。そんな矢先、急に体調を壊し、入院したことが私の人生の転機となりました。入院期間中に読んだ膨大な数の本が私をインスパイアしてくれたのです。これまでの生き方を改め、全ての環境を変える決意をしました。
「何かで人の役に立ちたい」と思い、薬科大学に進学。卒業後は、医薬品商社に就職をしました。これまで想像したことのないような掟やルールの中で過ごした試行錯誤の日々…。あくまでも目標は社長になることだったので、当時の経験は大きな糧となりましたね。苦労と感じたことはありませんし、何でも吸収したいという思いでした。

その後、株式会社新成堂・新成調剤薬局を開業。常に会社は「明日まで持つか」という状況で、暇を持て余した従業員は遠慮からは次々に辞めていき、最後に残った一人の社員にはアルバイトで稼いだお金で給与を払っていました。苦しい時期でしたが、少しでも人のために生きている自分が嬉しかったのです。毎朝3時間、薬局の近所を掃除していたこともありました。その甲斐あって、最近では地域に認められる薬局運営をできるまでになりました。
これまでの人生を通して感じるのは、人の人生は、人の数だけ意義深さがあるということ。しかし、この意義深さが手かせ足かせとなり、一歩前に踏み出せなくなることもあります。尊いがゆえの躊躇。ただ、若い頃にこのようなリミッターは必要ありません。意義深さは一度横において、何のしがらみもないフラットな状態の方が、能力を発揮できる領域は広まっていくのです。
そのためには、「自分を源」として考えることが大切です。光の当て方によって人はさまざまな解釈をするもの。嬉しいことも嫌なこともすべて自分次第だと考えれば、他人を憎むこともありません。すべての因は自分の中にあると考えれば、普段と違った行動ができるはずです。環境や世間に求めるばかりではなく、自らが源となり与えていける人になると良いです。