現在、社会で求められている会社は品格のある会社ではないでしょうか。これまで私は「社員の幸福が会社の幸福」だと考えて経営を行ってきました。その原点はIT業界の常識を変えたいという想いからきています。かつてこの業界は「きつい、帰れない、給与が安い」という、いわゆる”3K“の待遇が当たり前。しかし、それでは優秀な学生は集まりません。夢を見ることなどできませんから。
最近、学生の皆さんに”夢がない“という方が多いような気がします。先日、とある大学で講義を行った際、「将来の夢はありますか」と尋ねたら、200人中10人ほどしか夢を持っていませんでした。原因は「ゆとり世代」などと呼ばれている学生にあるのか?私はそうは思いません。むしろ責任は私たち大人にあると思っています。本気で夢を追いかけている大人が少ないからこそ、若者も夢を抱かなくなったのです。
どうすれば夢を抱くことができるのか。私は、大きな視点で世の中を見ることが大切だと考えています。そうすれば社会の課題が浮き彫りになりますし、当事者意識をもって問題と向き合えば、自分が何をしなければいけないのかが分かってくるでしょう。それを解決したいと思ったとき、夢になっていくのです。

GoogleやApple、マイクロソフトなど、時代を代表する大きな会社には、その企業規模と同じくらい大きな夢があります。それがあるからこそ優秀な人材が集まって、社会を変える大きなプロジェクトを成し遂げることができます。私も、世の中に大きなインパクトを与える会社を作っていきたいと考えていますし、そういう会社が増えていけば、社会全体も良くなっていくでしょう。
しかし、3Kの職場を変えたいと思って創業した当社も、はじめは苦労の連続でした。プログラムも営業も、行うのは私しかいません。ただ、「業界を変えたい」という夢を語ることで、多くの優秀な人材を採用でき、現在ではIoTを活用した医療システムで地域の健康に貢献できるようになりました。今後、ITの重要性はますます高まるはずです。そうなれば、私たちの存在感も必然的に高まっていくでしょう。
当社も大きな夢を持って、さらなる成長を目指していくつもりです。ぜひ学生のみなさんにも「自分が社会を変えてやる」というくらいの大きな夢を持って歩んでいってほしいと思います。