タビオ株式会社 越智 直正
タビオ株式会社 代表取締役会長

越智 直正

Ochi Naomasa

氏名
越智 直正 (おち なおまさ)
生年月日
1939年
趣味
靴下
座右の銘
「利によって行えば恨み多し」
心に残る本
中国古典各種
尊敬できる人
鈴鹿庄太郎

社名
タビオ株式会社
本社所在地
大阪府大阪市浪速区難波中2-10-70
なんばパークス内パークスタワー16F
資本金
4億1,478万9,000円
従業員数
264名(2018年2月現在、グループ全体)
事業内容
靴下の企画・製造・卸・小売・フランチャイズチェーンの展開・直営店の展開
タビオ株式会社 代表取締役会長

越智 直正

Ochi Naomasa

仕事に「志」と「夢」を

中学卒業後、丁稚奉公で入ったのは靴下の問屋。その問屋で13年間勤めたある日、理由もわからずクビを申し渡されたのが、独立のきっかけです。

私は今でも、「起業」や「創業」という言葉はあまり使いません。一緒に辞めさせられた部下2人と靴下の会社を作ったのは、それしか選択肢がなかったからです。そして、会社をはじめてからは、ただただ必死で、全力疾走してきただけなのです。

「仕事」という言葉は、仕える事と書きます。私にとって靴下は、自分で選んだものというよりも、天から与えられた「事」であり、それに謙虚に仕えてきたつもりです。仕事は、天下に恥じないものであるべきです。

私はずっと、靴下の業界は、粗悪なものを安く売り、金を儲けるため、いわばお客様をごまかすために頭と技術を使っていると疑問を持っています。そのような、人から恨まれるような仕事が、仕えるべき事のはずはありません。本当に良い靴下を作ってお客様に提供し、日本の靴下の品質の良さを世界に知らしめるという志をもって、経営してきました。

タビオ株式会社 越智 直正

経営では当然、様々な問題が起こります。当社にも何度も倒産の危機がありました。しかし私は、人間には、解決できる問題しか起こらないと思っています。痛さが過ぎると気絶してしまうように、解決できない問題は、問題と感じないはずです。そして、高い志を持ち、一生懸命やっている人には、必ず応援してくれる人が現れ、良い方向に導いてくれるものです。

今の時代に足りないのは、まさにそのような志、そして夢だと思います。若い社員を見ても、良い大学を出ている人であればあるほど、大きな夢を語らず「どうせ私はこの程度だ」と、自分を見限っているように感じられます。そういう若い人の姿を見ると、私は心底悲しいのです。

自分を馬鹿にしてはいけません。大学で、人に使われる方法、機械に使われる方法を学んできたのではないはずです。若い人には限りない将来が開けているのですから、大きな夢を持って突き進んでほしいと思います。

手元の携帯で「ゆめ」という字を漢字に変換してみてください。「夢」だけではなく「努」という字が出てくるはずです。

努力とは、まさに夢に向かっていくこと。仕事に夢を持ち、努力する人生は、本当に楽しいものですよ。