株式会社ペッパーフードサービス 一瀬 邦夫
株式会社ペッパーフードサービス 代表取締役社長CEO

一瀬 邦夫

Ichinose Kunio

氏名
一瀬 邦夫 (いちのせ くにお)
生年月日
1942年
趣味
店舗展開を通じ、会社を世界企業にすること。
座右の銘
今やらねばいつできる、自分がやらねばだれがやる
尊敬できる人

社名
株式会社ペッパーフードサービス
本社所在地
東京都東京都墨田区吾妻橋3-3-2
資本金
12億8,198万円(2016年12月現在)
従業員数
正社員397名(2017年2月末時点)
事業内容
『いきなり!ステーキ』『ペッパーランチ』の店舗運営及びFC本部 ステーキ専門店『ステーキくに』、牛たん専門店『牛たん仙台なとり』、とんかつ専門店『かつき亭』の運営 とんかつソース・ドレッシング・生ハム等の販売
株式会社ペッパーフードサービス 代表取締役社長CEO

一瀬 邦夫

Ichinose Kunio

苦しい道を避けて通るな

私は母子家庭で育ち、病弱だった母のため料理を作るのが習慣でした。高校卒業後は洋食屋に

就職。その時に母が言った「コックになるなら、日本で5本の指に入るコックになれ」という言葉は、仕事の心構えとして今でも心に残っています。その後ホテルの料理人となった27歳の時、「人に使われるのではなく、独立しなさい」という母の言葉に背中を押され、1970年、向島に洋食屋を開店。経営は順調で、9年で4階建ての自社ビルが建ちました。しかしここで「自分は成功した」と慢心したのでしょう。売上も普通以上で、使えるカネもある。小さな商店主として安泰となっていましたが、従業員が定着しないのです。従業員に夢を与えなければとの思いで多店化を決意しました。ところが4店舗までなったところで落とし穴が待っていました。店舗を展開するということは、従業員が増えていき、同時に借金が増えていきます。そういう環境におかれた私は従業員を叱る事ができなくなっていました。いつしか経営状態も悪化。借金も膨らみ、倒産の危機に陥りました。

株式会社ペッパーフードサービス 一瀬 邦夫

この危機は、経営者としての在り方を見直す転機になりました。それまでは社員に辞められるのが嫌で、厳しいことを言うのを避けてきましたが、給与削減を含む再構築策を示し「付いてこれない人はやめてほしい」とはっきり言いました。幹部とは本気でぶつかりましたが、最後は「明日からも、ここでがんばります」との言葉。それまでの危機は、社員に真剣に向き合ってこなかった私の至らなさが原因だと思い知りました。

社長に夢がなければ、社員は希望を持てません。トップに必要なことは、大きな夢や目標を社員と共有し、達成のためリーダーシップを発揮すること。そして結果に責任を負い、言い訳をしないことです。その覚悟をもって、今まで店舗展開や海外進出、上場などの目標を一つひとつ達成してきました。今は、どんな大きな目標を掲げても、「社長なら、口にした以上は実行する」と思っているはずです。そう思われないようでは、トップとして失格なのです。

「谷深ければ山高し」というように、苦難が大きければ大きいほど、乗り越えた後に飛躍することができます。人生の分岐点では「楽そうだから」という理由で道を選んではいけません。苦しい道の先にこそ、達成があります。真剣に道を選んだのであれば、右でも左でも正解なのだと思います。