株式会社タカラトミー 富山 幹太郎
株式会社タカラトミー 代表取締役社長

富山 幹太郎

Tomiyama Kantaro

氏名
富山 幹太郎 (とみやま かんたろう)
生年月日
1954年
趣味
ゴルフ、囲碁
座右の銘
ピンチはチャンス
心に残る本
上杉鷹山
尊敬できる人
父(富山允就)

社名
株式会社タカラトミー
本社所在地
東京都葛飾区立石7-9-10
資本金
34億5953万円
従業員数
連結2199人 単体504人(2018年3月31日現在)
事業内容
玩具・雑貨・カードゲーム・乳幼児関連商品等の企画、製造および販売
株式会社タカラトミー 代表取締役社長

富山 幹太郎

Tomiyama Kantaro

大きく変わる時代の中で、変化の担い手になる

私にとって、子どもたちが夢中になって遊ぶ姿が一番の原動力であり、健やかな成長を担う「おもちゃ」を生業にすることが誇りです。一方で、時代の変化に対応しながらモノづくりをすることは、時に辛いことでもあります。作り手の道楽で終わらせず、子どもたちが安心して楽しめるおもちゃ、わくわくドキドキするおもちゃを提供しながら、会社として利益に結び付けていくことはとても難しいことなのです。

イギリス留学を経て28歳でタカラトミーに入社した私は、3代目としての挨拶まわりを兼ね国内で営業活動に従事した後、アメリカの販売子会社に赴任しました。当時アメリカではパワーマーケティングやM&Aなどにより市場が激変し、会社の業績は次第に低迷。それでも国内工場の生産確保のため高い単価で日本に発注せざるを得ない状況に、このままではいけないと強く思っていました。さらに1985年のプラザ合意を受けて円高が進み、売上が激減。経営の危機に瀕し国内4工場のうち3工場を閉鎖しました。大幅なリストラを断行するなど、苦渋の決断も強いられたのです。アメリカの販売子会社も売却し、業績悪化の責任をとって辞した父に代わり32歳で社長に就任した私は、工場中心からマーケティング重視の体制へ、年功序列を廃し、成果主義を取り入れた人事制度や賃金体系の見直しなどの改革を行っていきました。

株式会社タカラトミー 富山 幹太郎

私たちが守るべきは子どもたちからの「目に見えない信頼」です。うちのアイデアで子どもたちが楽しめればそれでいい。そのためにも時代に即した自由な発想でおもちゃを作ることができる土台を作らなくてはと思っています。おもちゃを企画した本人は「売れる!」と思って世に出したものが失敗すると、とても悔しい思いをするわけですが、その悔しさを忘れず、あきらめずにやり続けることが大切。どれだけ失敗してもいい。何か一つヒット商品が出れば、それが全部をカバーしてくれるということもあります。これからも試行錯誤しながら、子どもたちが本当に喜ぶものを作っていきたいですね。

21世紀の社会は複雑さを増し、私が生きてきたこの5、60年とは全く違う世界になりました。歴史的にも大きな変化が起こるでしょう。若い方々には、その変化の担い手になるぐらいの気持ちで、より良い世の中にしてほしいと願っています。