株式会社タニタ 谷田 千里
株式会社タニタ 代表取締役社長

谷田 千里

Tanida Senri

氏名
谷田 千里 (たにだ せんり)
生年月日
1972年
趣味
読書、漫画、ゲームをすること
座右の銘
一粒で二、三度おいしい
心に残る本
『貧乏父さん金持ち父さん』(ロバート・キヨサキ)
尊敬できる人

社名
株式会社タニタ
本社所在地
東京都板橋区前野町1-14-2
資本金
5,100万円
従業員数
連結1,200名
事業内容
家庭用・業務用計測・計量機器などの製造・販売
株式会社タニタ 代表取締役社長

谷田 千里

Tanida Senri

「まだ存在しない価値」の創造を

当然のことですが、私たちの会社がなぜ存続できるのかと言えば、お客様がいるからです。だからこそ、どこまでもお客様のことを考えるということが、弊社の理念です。例えば弊社が1992年に発表した、世界初の”乗るだけで体脂肪率がはかれる体脂肪計“は、それまで市場に存在していなかったものです。商品の需要がマーケティングでわからない商品でも、弊社は社会理念などで筋が通った事業であれば、企画を通します。独創的なアイデアとは、どれだけ潜在的な需要を察知できるかにあるとも言えるからです。

そのように考えられるようになったのは、私が元来、社長になるはずではなかったからです。弊社は私の祖父が興し、父に受け継がれました。しかし、私は若い頃から、調理師になりたいという夢を持っていました。ところがヘルニアを患ったため、これを断念。大学へ進学後、あるコンサル会社に就職し、その後、父の誘いによりタニタに入社しました。その後、アメリカに駐在するのですが、突如として社長就任の要請を受け帰国。当時、業績は低迷していました。そこで前例にとらわれず考え、改革を断行。その中で生まれたのが「タニタ食堂」で、現在は新業態の「タニタカフェ」も展開しています。これ以外にも、さまざまな取り組みを行い、業績は回復。

株式会社タニタ 谷田 千里

弊社では、希望する社員は一度退職し、新たに個人事業主として業務委託契約を結んで働く「日本活性化プロジェクト」という取り組みを開始しました。目的は、働き手がやりがいを持って働き、成果に報酬面でも報いること。今、世間では「働き方改革」が話題になっています。とかく労働時間削減に目が向けられがちですが、時としてここ一番のがんばり所で、時間を忘れるくらい熱中して働くことが成長につながるのではないかと私は考えています。もちろん過重労働は避けなければいけませんが、コンサルタント時代やアメリカ駐在時代のこのような経験が、今の私の礎になっています。若い人たちには、自分が何のために、どう働くかを真剣に考えてほしいと思います。独創的な仕事には、多角的に物事をとらえる視点が不可欠です。そしてそれを得るためには、豊かな体験と刺激の蓄積が必要です。若い頃から自立的に働き、さまざまな経験をすることで、「世の中にまだ存在していない価値」を生み出す力を、身につけてほしいと思います。