私は人生において、無駄なことは何一つないと思っています。これまでの経験から、今の仕事のスタイルに繋がっていることはたくさんあるのです。中高一貫の教育方針がしっかりしている女子校に通っていましたが、その頃、マネジメントの原理原則に繋がる姿勢が身につきました。社内で基礎教育を大切にする考え方は、この頃の経験からきています。

大学では、これまでの女子校生活から一変。とても練習の厳しいスキーサークルに入りました。冬には60日間くらい山に篭るようなサークルです。何度も辞めようと思いましたが、周囲の支えもあり、大学４年間やりきりました。当時の仲間とは今も交流が続いています。明確な思いに共鳴する人が集まれば、強い絆ができるのです。この頃の経験が、軸のあるマネジメントで強い組織を作る考えに繋がっています。

新卒で入社した会社は厳しい職場でした。それこそ、箸の持ち方から教え直されるような場所です。だけど自分の何がいけないのかわからないので、私は大反発。当時、先輩社員のことは大の苦手でした。しかし現在、自分が新卒入社の社員と接していく中で、そのありがたみがわかります。基礎を叩き込んでもらえたから、今があると思うのです。

当社は、食品製造業ですので、お客様の安心を守ることが第一です。嘘はつけません。ホッピーは70年近く愛されているロングセラー商品。その核になっているのは人柄の良さです。そのため、知識や技術の前に、利他の心などの心構えが大切。新卒入社の社員とも徹底して向き合い、学生気分と社会人意識の違いを理解してもらうようにしています。

仕事は、「仕える事」と書きます。しかし、仕事で誰かの役に立って、感謝されるには時間がかかるのです。はじめは苦しいこともあるでしょうが、そこを乗り越えることで、素晴らしい未来が手に入ります。自分の中に、ぶれない軸を持つために、理想のイメージを早めに見つけることも重要ではないでしょうか。私の理想は、赤毛のアンの主人公アン・シャーリーです。クリエイティブで、一所懸命で、誰かのために生きられる。そんな姿勢に心惹かれて、小学校３年生の頃に読んで以来、今も理想像として抱いています。

社会は面白いところですし、仕事をするのはすごい楽しいことです。ぜひ、皆さんも楽しみに、社会に出てきてほしいと思います。