何事においても、人から切実に必要とされるからこそ、本物の価値になるのです。それは、カタチを持った商品だけとは限りません。たとえ目には見えない知識や情報でも、同様のことが言えます。特にこれからの時代は経済学者のトフラーが言うように、ボランティア経済と資本主義経済が融合されていくでしょう。ならば当社が運営しているQ&Aサイト「OKWAVE」のように、本当に役に立つ情報とは、たとえ無償でやり取りされていても金銭を生むことになります。
今でこそ私は確信を持ってこう言えますが、その理解に至るまでは、長く苦しい時間を経験しました。まず若い時の私は、おカネに対する認識が薄く、おカネというもの自体が汚いもののように思っていました。それは私の祖父が亡くなった時、遺産をめぐって家族同士が争うのを見てきたことも、原因の一つです。
その後、大学でデザインを学んだ私はデザイン会社に就職し、そこで独立を企画したのですが、当時は「人からおカネを取る」ことに大きな罪悪感を感じていました。当然、そのような状態では資金もつくれず、私のもとから去っていった仲間もたくさんいます。そして、私はホームレスになるまで堕ちてしまったのです。

その時私を救ってくれたのは、ある貧しい中国人の女性でした。彼女は私に、こう言ったのです。「あなたがこんなところで萎えているのは、理解できない。日本では餓死することもなく、探せばチャンスはいくらでもあるではないか」。
この言葉で奮起した私は、まずホームページの制作から始めました。その時はわからないことだらけでしたが、それを親切に教えてくれる人はいませんでした。その際に感じた、「有益な情報のやり取りが、ネットでできたらいいのに」という想いが、当社設立のきっかけとなったのです。最初の数年間は赤字でしたが、当社の経営を通じて私は、「真に価値あるものは、おカネを生むに値する」という確信を得ました。
自分の人生に迷っている若い人には、まず自分の人生を振り返って、「これは解決したい」ということにフォーカスしてもらいたいと思います。もしそれが解決した時、ワクワクした気持ちになるならば、それはあなたにとって、本当に必要なことだということです。それをずっと、続けてください。それこそが、あなたの人生における目標そのものです。