新社会人の多くが、企業に入社した後に驚くことがあります。それは、普段使っているようなスマホ用アプリと業務用アプリとの使い勝手の違いについてです。

企業向けのビジネスアプリケーション、いわゆる「エンタープライズアプリケーション」の世界では、企業経営の中枢として重要な役割を担っていることもあり、利便性よりも正確性や確実性が優先されてきました。そのため、ユーザーの不便さを解決するためのテクノロジーもなければ、業界内でブレイクスルーを起こそうとする会社もなかったのです。

一方、皆さんもご存知のApple やGoogleといった会社は、これまでになかったスマートフォンや検索エンジンを生み出し、ユーザーの利便性を追求してきました。その便利さに慣れている新社会人は、会社で使う業務システムの不便さに驚くというわけです。

２０１５年12月、当社は世界初となる人工知能型ビジネスアプリケーション「HUE」をリリースしました。これは、AI（人工知能）とビッグデータを駆使することで、無駄な作業をなくして仕事の効率を劇的に上げるだけでなく、仕事のあり方や人々の働き方そのものの質を大きく向上することができます。２０１１年頃から開発に着手し、世界６ヶ所に拠点を置いて人材を集め、優秀な人材が競い合うようにしてブレイクスルーを繰り返すことで、世界初となるアプリケーションを生み出すことができたのです。

現在、当社の社員のうち約４分の１は外国人です。世界中の優秀な人材と仕事をして感じるのは、多くの日本人がグローバル競争の流れに取り残されてしまっているということ。海外の優秀な学生たちが、「自分の頭で考えて付加価値を生み出す」という訓練を繰り返している中、今の日本の環境では、そういった経験を積みづらいのが現状です。

これからは猛烈な国際競争にさらされます。その競争を生き抜くためにも、いち早く世界レベルからの遅れを取り戻さなければいけません。だから当社では、あえて入社２年目ほどの社員を海外拠点に積極的に送り出しています。高い要求水準の中で優秀な人材と切磋琢磨できる環境は、脳天を直撃するほどの刺激になることでしょう。失敗しても、時間がかかっても、若いうちから深くものを考え行動した人こそ、10年後、20年後には自分の思い描く道を作れる人になるのです。