大学受験をする頃に、通っていた予備校の講演会で当時文化放送のアナウンサーをしていた落合恵子さんのお話を聴講する機会がありました。その時に聞いた「噴水は落下に耐えて煌めく」という言葉が、私の心の中にずっと残り続けています。これは、高ければ高いほど輝く噴水にかけて、苦労も一生懸命しなさいという意味が込められています。
私は、社会人になってたくさんの壁にぶつかるたびに、この言葉の意味を心底実感してきました。実は、父からこの永島製作所を引き継いでから、一度大きなミスをして会社全体に迷惑をかけてしまったことがありました。当時はすごく辛い思いもしましたが、その時に出会ったたくさんの方々が今でも私の心の支えになってくれているのです。失敗こそしてしまったものの、そこから得られるものは非常に大きい。その経験は決して無駄ではなかったのだと実感しています。
たくさんの経験を積んでほしいというのは、常々社員にも伝えていること。そして現在就いているポジションよりも、一つ上の目線で物事を考えていける人材になってほしいと願っています。そのためには、「こんな仕事がしたい」、「こんな会社にしたい」という根っことなる理念をしっかりと作り、そのうえで売上げなど目先の目標に取り組んでいくことが大切です。社員には自主的に考え、動いてほしいと考えていますから、自由にチャレンジしていける環境を整えることが私の役目。しかし、日々懸命に仕事をしていると、その理念を見失ってしまうことがあります。そんな時には、「一度見直してみよう」と軌道修正をかけてあげることや、場合によっては思い切ってはじめからすべてをリセットしてしまうこともあります。より良いものを生み出すためには、初心を忘れず、常に「これでいいのか?」と考えていくことが必要なのです。

当社はまだまだ小さい会社ですが、金属加工の分野で世界に認められる会社になりたいと思っています。そのためにも、自慢の社員力を武器に成長を続けていきたいと考えています。
若い方々もぜひ大きな目標を持ち、明るく前向きに仕事をしてほしい。そのためにも一歩先を見据えながら何事も取り組んでいくことができれば、仕事はワクワクする楽しいものになるでしょう。笑う門には福来る。いつも笑顔を忘れずに、先を見据えながら楽しく仕事をしている人のもとにこそ、幸運はやって来るのです。