長野・篠ノ井で、父が営んでいた質屋の経営が行き詰っていた頃に高校を卒業。その後、父の借金返済と生活のため、背広の行商を7年くらい行いました。そして30歳を過ぎた頃、長野の一等地で店を持ちたいと思い、スーツと礼服を中心とした紳士服専門店をオープン。長野駅前で開店したこの店は当時、地域で一番大きな店でした。結果的に、これが大成功を収めます。
その後、売上が上がり、利益も出る中で、儲けを出すだけのビジネスでいいのかを考えるようになりました。何のためにビジネスをやるのか考えるうちに、社会に貢献できることをやろうと決意。利益を出して、税金をしっかりと納める。それと同時に公共性も追求しよう、そう決めると、「学習なくして飛躍なし」の信念のもと、セミナーに参加。チェーンストア理論やマーチャンダイジング、組織論などを学び、当社の礎を築きました。
当時は、スーツの流通革命を実現しようという情熱でいっぱいでした。多店舗展開するためのスーツを確保しようと、工場やメーカー、そして織物屋などにビジョンや夢を語って、お付き合いをしていただけるように頼んで回りました。その結果、多くの方のご協力もあってリーズナブルなスーツが実現でき、業界全体も変わりました。同時に当社も飛躍的に成長。売上もさらに上がり、会社の規模も大きくなりました。

現在、当社はポートフォリオ経営を行い、ファッション事業、アニヴェルセル・ブライダル事業、そしてエンターテイメント事業の3つの柱があります。ファッション事業は、閑散期と繁忙期があるビジネスですが、他の2つの事業は一年を通じて安定した収益を上げることができます。グループ全体が目指しているのは「生命美の創造」、つまりお客様に生きる喜びや感動を提供するビジネスです。
私には一号店を出店するまでに、苦難の時代がありました。しかし、知恵を出して、そこをクリアしてきたからこそ、成長の仕方を学びました。私の愛読書は『史記』ですが、その中にも成功する人は若い時に試練を受けていることが書かれています。試練をはねのけた人しかリーダーにはなれません。それに、人間は一人では生きていない。必ず誰かのお世話になっています。だから大事なのは社会貢献です。その気持ちが加われば、必ずリーダーとして成功することができると思います。