私が子どもの頃、いつも父が灯油の配達で運転している軽四輪の小さなタンク車に同乗して、仕事の手伝いをしていました。別に強制されていたわけではありません。その頃から”商売“というものが好きだったのです。
その時、あるお客様から「いつもありがとう」と声を掛けられ、リンゴをいただきました。今考えてみると、その思い出が原体験となり、当社の企業理念である「ありがとうの言葉を世界一集める企業」に繋がっています。
私が現在手がけているのは、”大手企業がやらない、できない“隙間のようなニッチビジネス。創業から今に至るまでの30年近く、「ニッチオンリーワン戦略」にこだわって成長してきました。
この「ニッチオンリーワン戦略」を進めていくのには、あるきっかけがあります。2008年に起こった原油高騰の波をかぶって、灯油の価格も3倍程度まで値上がりしました。それまで灯油の移動販売をメインビジネスとしていた当社にピンチが訪れたのです。

その時に思い出したのは、「ピンチはチャンス」という言葉。事業を縮小するのではなく、それまで以上に様々なニッチビジネスを創り出していき、事業を多角化していったのです。その結果が、今の業績へと繋がっています。原油高騰という”ピンチ“がなければ、そこそこの業績で終わっていたでしょう。まさに「ピンチはチャンス」だったのです。
そうやってこれからも時代の荒波を乗り越えていきながら、社員の皆さん(トレジャークルー)と経験値を高めていきたい! 会社(トレジャボート)も荒波に飲み込まれないように大きくたくましくしていきたい!! そしてスケールの大きな、ワクワクドキドキできる「海賊経営」を目指したいと思っています。
今は高度な情報化社会です。スマートフォンさえあれば、どんなことでもすぐに答えが見つかります。ただ、その行為が、物事を簡単に考えるようになってはいないでしょうか。物事には汗をかきながら自分の足で稼がないと感じ取れないことも多くあるはずです。
これから社会へ出ていく若い皆さんも、様々なことに自らチャレンジしていきながら、悔しがったり涙を流したりすることで経験値を高めてほしい。経験値を高めていけば、ピンチに直面した時でも壊れにくい人間になるでしょう。ピンチをチャンスに変えられるのは、そんな人なのです。