まだ小学生の頃、自宅がある神田から母の実家がある日光まで線路伝えに歩いて行ったことがあります。今思うと、私の放浪好きはそこから始まっていたのかもしれません。それから、高校時代はよく登山をしたり、伊豆の踊り子に感銘を受け、その道を辿ったり。大学に入ってからは、自転車で日本を縦走したり、ヨーロッパ一周の放浪の旅に出たりしました。
様々な国を旅して、本当に沢山の人に出会いました。それはまさに、これまで触れてきた日本の常識が通じないカルチャーショックの連続。私は当たり前だと思っていることが、相手から見ればおかしいと言われてしまう。私から見た正義が、相手にとっては悪なのかもしれないということです。そうした経験から、様々な角度から物事を見る広い視野を養うことができました。
しかし、そんな中でも変わらないことは、良い人は良い人であるということ。そして、良い人が所属している集団も、良いものであるということでした。そこで、当社の理念である「グッドピープルカンパニー」という気付きを得たのです。一人ひとりの成長によって、大きな会社ではなく、良い会社をつくること。そうすることで、良い社会ができるのだと思うのです。

当社の社員たちは、相手の幸せを自分の幸せと考えられる人財が集まっています。ビジネスでも、どうすれば相手に利益が出るかを考えながら働くことが、結果的には自らに利益をもたらすことになります。これが「競争の社会から、共生の社会へ」という考え方です。
「エスピック」という社名は、「飛べ!無限の可能性を秘めた、夢多き挑戦者たち」という意味が込められています。当社のビジネスは、変化の激しい業界。しかし、根底にある理念は決して変わりません。目の前の一人ひとりにとって良い社会とは何かを考える。そんな価値観を持ち、活躍していける企業こそ、今後も長く成長していけるのではないかと考えています。
ロマンチストは、現実を理想の姿に変えようとするわけですから、リアリスト以上に現実を生き抜く力を持たなくてはなりません。現実で勝つことは重要ですが、その苦労を乗り越えていけるのは、根底に志や理想があるから。学生のみなさんには、技術よりも勉学よりもまず、自分自身の中に強く根付く、志や理想を持ってほしいですね。