私が若い頃から身も心も捧げたのはサーフィンでした。学生時代は用具費や大会参加費を稼ぐため、土木作業員などの仕事をしていた事もあります。オーストラリアで修行した際は、空港で旅行者に声をかけガイドをするなど、仕事を自ら作りました。将来、サーフィンで世界を転戦しながら生活するためには、仕事は自営しかないという気持ちがその頃からあったためです。
大学卒業後は、一先ず一般企業に就職。営業の仕事で、1年程度で他社から引き抜きを打診されるほどの業績を上げましたが、休日を使って参加したサーフィンの全国大会で惨敗。仕事との両立に限界を感じて退社し、起業を決めました。
しかし、最初に立ち上げたリフォーム会社は失敗に終わります。会社員時代をしのぐ激務により断念せざるを得なかったのです。1998年に現在の会社を創業してからは、やみくもに仕事を受けるのではなく、クライアントの成長を第一に考えた付加価値の高いリフォームを行い、周囲の助けもあり、会社は軌道に乗りました。また、住宅施工の事業では、リフォームの知見を活かし、丈夫で長持ちする住宅を目指しました。そして2011年、私の人生を変える出来事が起こります。東日本大震災です。ボランティアで見た東北沿岸の光景は忘れられません。私が愛する海が、2万人を超える人の命を奪った事実に慄然としました。そして後に知ったのは、南海トラフ地震で同程度の津波が起こった場合、私が住む舞坂の街が波に飲み込まれる危険が高いこと。自分の、家族の、近所の方々の命が一瞬で奪われることへの恐怖、ぶつけどころのない怒りを覚えました。

私には新たな目標ができました。災害から大切な人の命を守る家づくりです。現在、あらゆる災害に耐えられるシェルターの研究に全精力を注いでおり、2016年には、浜松に避難シェルター付き防災住宅「カリビスのたまご」の展示場をオープンしました。
サーフィンで頂点に立つ事を目標にしていた頃、そして防災事業に取り組む現在。私にとって仕事とは、常に自分の「志」達成のための手段です。志があるからこそ困難に挑戦でき、失敗しても立ち直る事ができる。志のために働く人と、お金や生活のためだけに働く人とは、将来に決定的な差が出るでしょう。ぜひ高い志を持って仕事に励んでほしいと思います。