私が組織のトップとして目指していることは、自走できる人を育て、自走できる会社づくりをしていくこと。そのため当社の社員には、数字的な成長よりも、人間的な成長を求めています。
やりがいを持ち、明確な夢や理想を描くことができれば、誰かに指図されなくとも人は必死になるでしょう。その必死さがやがて人としての大きな魅力となり、創造性や生産性を高め、数字や結果は自ずと付いてくる。それが自走できる人であり、その集合体が自走できる会社をつくっていくものだと信じています。
私は1966年、畜産業を営む家庭に生まれました。現代のようにゲームがあるわけでもなく、”遊び“が与えられている時代でもありません。友達と過ごす時間は自ら”遊び“を創造し、運動場を駆け回っているようなわんぱくな少年でした。また、学校に行かない合間を縫っては、家の手伝いをして働くことの大変さも学びました。何事においても自分の頭で考え、創造し、自ら行動しなければ何も生まれないのだということを生活の中で体感していたのです。早く自立して社会に出たいと思うようになったのも、それがきっかけでした。

私は社会に出てからも変わることなく、自らの意志や考えに従い、人を育て会社を成長させてきました。それと同様に、他人の考えにも耳を傾け、人それぞれが持つ意志を尊重してあげるべきだと考えています。だからこそ社内においても、私から強制することは一切ありません。本人がなぜ謝るのか理解していないにも関わらず、謝りなさいと命令しても意味はないですし、心から”ありがとう“の気持ちがなければ、口先だけで感謝を述べても意味がない。頑張りなさいと強制することもありません。会社のために頑張ってほしいと思うのであれば、頑張りたくなるような環境や仕組みを整えてあげればいいと思うからです。
きっと誰もが夢や理想を持っているはずです。将来のビジョンが見えないと話す人もいますが、それは自分の中に隠してしまっているだけ。その道筋さえできれば、何も恐れることはありません。そして、その道筋を探し出す手助けをしてあげるのが会社であり、経営者の務めだと思っています。これから社会へ出ていくみなさんが大きく成長していくためにも、自分の頭で考え、創造し、自走している姿を見せてください。