未知のものに触れた時、変化に直面した時、誰しも恐怖や不安を抱くものです。しかし夢の実現に変化はつきもの。一歩踏み出さなければ掴むことはできません。現在でこそ当社グループは業績が5000億円、社員数は3万5000人を超える会社へ成長しましたが、ここまで来ることができたのは、一歩先へ踏み出す勇気をもち、置かれた環境で一生懸命取り組んできたからです。
もともと英語に興味を抱いていた若い頃の私は、海外への憧れもあり、ヨーロッパへ留学。帰国後、外資系企業に入社しましたが、英語力はまだ不十分だという思いもあり、次にはオーストラリアへ職を求めたのです。そこでは女性が当たり前に活躍する環境がありました。そしてもっとも私の興味を引いたものは、「派遣」という制度です。たとえば秘書が一日休むと、見知らぬ人がやって来て、その時だけ臨時に仕事をこなすのです。これは素晴らしいシステムだと非常に印象に残りました。
当時の日本では、”女性が働く“こと自体、社会的に認知されているとは言い難い状況にありました。自分もどこかの会社のお茶くみで終わってしまうのかと、悲嘆しました。それならば、あの便利な「派遣」を自分でやってみようと思い立ち、当社を設立したのです。

当初は資金繰りなどで非常に苦労しましたが、外資系企業の活用を皮切りに日系企業でも派遣サービスの活用が進み、売り上げも上がる一方、派遣スタッフとして働きたいという方も徐々に増えていきました。
現在当社は、派遣を通じた個々人の成長を支援すべく、カウンセリングや教育支援等を強化しています。また、職住接近や短時間の仕事など、働き方の多様性に合わせた幅広い仕事を提供しております。微力ながら、わが国における「派遣」という労働形態と、女性の社会進出に貢献できたのではと思っています。
特別な能力のなかった私でもここまで歩んでこられたのです。それは失敗を恐れず、チャレンジし続けてきたから。やらなくて後悔するよりやって失敗したほうが断然良いのです。失敗は多くの学びにつながります。逃げずに目の前のことに本気で一所懸命取り組んだ先には必ず、光が見えてきます。助けてくれる人もあらわれ、少しずつかもしれませんが、仕事の面白さを実感するでしょう。こうやって一歩一歩進むことが夢につながっていきます。