当社は1980年の設立当初、アウトドアコートでテニススクールを経営していました。しかしアウトドアでは季節や天候に左右され経営が安定しないことから、インドアコートに改装し、さらにテニススクールを「サービス業」と捉えた経営方針に定めることで成長しました。現在は関西を中心に、全国で25校を展開するスクールに発展しています。
無論、ここまで順風満帆ではありませんでした。他社のテニススクールに自ら足を運び、テニススクール経営について学びました。今は、どのようにすれば、社員が自律し、やり甲斐をもって活き活き働ける職場を作ることができるかを考えています。
人対人のビジネスを行う当社にとって、人こそが財産。だからこそ魅力的な人になるための指針が必要です。そこで、経営理念実現のための行動指針を、幹部社員と話し合いながら1年かけて、「ノアイズム」を策定しました。そしてその副産物として、幹部が一枚岩になれ、よい会社風土に大きく舵を切りました。そしてノアイズムのもと、社員一人ひとりが目標をもち、自身で考え行動する。そうした個々人が互いに協力し、感謝し、尊重し、助け合う風土を育むことで、お客様満足、そして感動にも繋がるのです。

ただ、互いに助け合うことが「甘え」となってはいけません。様々な力を持つ自律した個人が集まることで、初めてチームとして噛み合うものだからです。例えば野球もそうですね。上位打線だけが強くても試合には勝てません。1番から9番まで、すべての選手が自身のやるべき役割をこなすことで打線が繋がり、その結果、チームに勝利をもたらします。どんな小さな役割であれ、無駄なことは何一つありませんし、一人ひとりが大切なのです。
若い皆さんは何事でも、とにかく一所懸命取り組んでください。「負けてたまるか!」と頑張ることで、「目標を持って行動すること」が身に付きますし、そうした人は社会でもしっかりとやっていけます。そして真面目はもちろんいいことですが、遊び心やゆとりもまた、人対人の対応力や柔軟性を養ってくれます。社会に出れば苦労や挫折を感じることは間違いなくあるでしょう。目標を高く掲げそれを目指して歩むほど、苦労や痛みを伴うものです。私はそれを「成長痛」と呼んでいますが、ぜひその成長痛を楽しむ心の余裕を持ってください。