弊社の社名は創業時から「ガリバーインターナショナル(現:IDOM)」でした。社員が一人しかいないにも関わらず”インターナショナル“と堂々と世界進出を掲げていたのです。当時の中古車業界は商品が売れるまで店先に並べておくだけという稚拙な販売が多く、いかがわしいイメージも強かった。そんな中、我々はより優れた販売や流通の方法を模索し、それを武器に世界一の中古車販売会社になろうと考えていました。衛星放送を使った画像販売など、常識を覆す様々な販売方法をどんどん取り入れていき、現在のように大きな成長を遂げたのです。
ですから、若い皆さんにも”非常識“な発想というものを大事にしてほしい。もちろん失敗はあるでしょうし、私自身もたくさん経験しています。でも、失敗がなければ成長もない。壁にぶつかって乗り越えることを繰り返して人間は大きくなるのです。おそらく、一度の失敗でへこたれてしまう人は目標設定が低いのだと思います。目標を高く持っていれば、「一度や二度の失敗でくじけるわけにはいかない」という気持ちになるでしょうから。

そういう意味で、私は南アフリカ共和国出身の起業家イーロン・マスク氏をリーダーとして尊敬しています。彼は地球の環境悪化と人類の火星移住を見越してロケットを開発し、人類が移住し終わるまでに少しでも排気ガスを減らそうと電気自動車を作った。普通なら子どもじみた発想だと笑われるでしょう。でも、彼は本当に実現させてしまったのです。
仕事をする上でロマンを抱くことはとても大事です。「お金を稼ぎたい」という志だけでは長くは続かないでしょうし、大きな成功も得られないでしょう。また、ロマンを共有してくれる仲間を持つことも大事で、そのためには自分の気持ちを恥ずかしがらずに話すべきです。そうすれば助けてくれる人がちゃんと現れます。現に社員が一人だけの小さな会社だった「ガリバーインターナショナル」が、人目もはばからず「世界進出」を言い続けていたら叶ったのですから。それもこれもロマンを共有してくれた社員たちの助けがあったからこそ。あなたが口にする目標を笑う人もいるでしょうが、気にする必要はありません。「成功」とは目標を達成することではなく、高い目標に向かって進んでいる最中のこと。私はそれをできる人こそが「成功者」だと思っています。