私は新卒一年目から「早く仕事で結果を出したい」という確固たる目標がありました。新卒一年目というと、徐々に仕事に慣れて、同期の仲間を作って遊びにも行って……となる社員が多い中、がむしゃらに仕事をした記憶があります。その結果、約一年で営業成績1位になりました。それは、私が大学四年生の時に演劇を究めるか、就職するかの選択で決意して飛び込んだ道だったからかもしれません。当時は90年代前半、周囲から見た自分は野心的な社会人だったと思います。ただ、今は新卒だろうと誰もが自分自身で「働く」目的意識を持たなければならない時代です。それは企業の大小、職種、働き方に関わらずです。
企業に勤めて働くというかつてのスタンダードから、働き方はより多様になり、起業やフリーランスも広く活躍する時代になりました。そして今やFXやインターネットを使って、働かずして収入を得る「働かなくても社会の一員に成り得る方法」も多様にあります。つまり、「会社に行って働くか行かずに働くか」だけでなく、「働くか否か」自体も選択できる時代になったともいえます。

では、そんな時代になって何が必要なのかといえば、まず、先の目的意識、さらに「やりたいと思ったらやってみる」行動力、そして自分自身の心が重要になってくると思います。ぼんやり受け身になっていると、近い将来、ロボットやAIと同列に扱われるかもしれません。ある一定のルールの中ではきちんと結果を出すロボットやAIに対して、ルールがないところで「あなたはどう考えますか?」ということが求められていくのです。人間に、自分自身にとって、何が必要で、何が良いのか、何にストレスを感じるのか、それを考えられるのは人間です。ですから、これから先の学生に、既定の定まった答えがある教育はほぼ必要なくなるのではないでしょうか。あるいはそれはできて当然のこととして、今後必要な能力は、真の教養というべきリベラルアーツです。「あなた自身しかできない発想はなんですか?」ということが問われる時代になってきたのです。それに伴って、プログラミングと英語も表現手段として必要になるでしょう。
この時代だから敢えて辛口に言うと、働きたくない人は働かなくていいと思います。自分が自分らしくなければ、何も出来ない時代になっていくからです。