大学時代はテニスに明け暮れる日々でした。社会人になってからも続けていたほど夢中になり、サークルを3つも作ったほどです。「企画し、幹事として仕切り、団体で遊ぶ」こと、「人とのつながりから楽しいことを生み出す」面白さにどんどんのめり込んでいきました。それは、今までの仕事や現在のポジションに通じる要素でもあります。事実、アイペックの会社設立や事業拡大には、時代の流れやタイミングだけでなく、人との縁を大いに感じています。
現在の主な事業は、造船や建機関係の企業をクライアントにした、溶接機械の輸入販売。輸入先は韓国のメーカーです。なぜ韓国の企業と組むことになったのか。そこにもご縁で導かれて辿り着きました。
当時、懇意にしていたクライアントが中国に工場進出し、私も何度か中国に足を運ぶようになりました。そこで、「何か中国の製品で利用できるものはないか」というお話を頂きました。販売する私たちにとっても調達する場所と販売するお客様が近いというのはメリットですから、中国の製品を探して調べ始めたところ、中国ではなかなか品質面で見合うものが見つからない。そんな中で目に留まったのが、韓国製の溶接機でした。ただ日本の企業に使ってもらうには、細かいところを日本仕様にカスタマイズしなければなりません。それでもやはり、韓国製をベースにしたほうが単価も安く、低価格でお客様に納品できます。まずは日本の鉄工所に使ってもらい、不具合があれば韓国の企業と膝詰めで改良を進めました。その結果、クライアントから信頼を得る商品になり、今ではその韓国の企業とは資本関係を結んでいます。まさにお客様との縁が更なる縁を生んでくれたと言っていいのではないでしょうか。
そしてもう一つ。国産の機械に信頼を置くクライアントの多いことを承知で、なぜ海外製品の取り扱いを始めたのか。それは「同業他社がやっていないことをする」というのが私の精神だからです。その精神が培われたのは、私の社会人スタートがタフな飛び込み営業だったことに起因しているかもしれません。人と同じことをしていてはお客様は注目してくれないと、身をもって感じたのです。
これから社会に出る若い方々も仕事でたくさんの経験を積むと思いますが、人との縁を大切にしながら、チャレンジする勇気を持って前に進んでほしいと思っています。