人は、人生の3分の1を仕事に費やしています。つまりその時間をどう使うのかによって、人生を大きく左右することにもなるでしょう。仕事を単なる生活の手段と割り切って考えることもできますが、それではもったいない。社会は日々進化しているのですから、安定を考えるばかりではなく、挑戦する行動力も必要です。今日も昨日と同じ事をやっていては、それは事実上の退化なのですから。
働くことで人生を楽しむことができれば、やがて豊かさを生みます。まさに私自身も、常に動きながら考え、楽しみ、波乱万丈の経験の中で人生の豊かさを実際に体現してきました。
大学生の頃から、自ら企画してビジネスを行っていた私は、合宿で運転免許を取得するというアイデアを思いつき、早速、教習所に売り込みました。しかし教習所の所長はみな保守的な方ばかりで、学生の私を相手にもしてくれません。そればかりか、用意していた準備資金を企画の仲介人に持ち逃げされてしまいました。もう後には引けません。必死で他の教習所を回り、たった一人で提案を続けました。何とか苦労が実り、借金も返済。最終的には利益を出すことができました。「動いてみないと何もわからない」、「ピンチこそチャンス」という教訓を得たのは、まさにその時でした。

23歳になった私は一人上京し、ゼロからリース会社を起こし、凄まじい勢いで業績を伸ばしていきました。夢中になって投資を続けましたが、法律が変わり、事業の拡大がすべて裏目に出ていきました。私は25歳にして、10数億の借金を背負うことになったのです。私に残された道は新たな事業を始めることしかありませんでした。8年間かけてようやく借金を完済した私は、同時に貴重な教訓を得ました。会社とは、軸足をしっかりと安全地帯に置いたまま、同時にベンチャー的な挑戦もしなければいけないという教訓です。つまり安定した分野をメインの市場としながらも、計画的に少額の資金からゆっくりと、新規事業に参入するのです。これにより会社は、”安定“と”挑戦“の両者を確立できます。
そんな私の経験から言えることは、人は失敗を教訓としながら、思ったことは実行すべきだという事。若い方々も、思い立ったらまずはやってみることです。そうすればきっと、働く楽しみや人生の豊かさという、新たな景色を見ることができるでしょう。