世の中のどんな仕事に就いても楽しめる。むしろ楽しめない仕事はないと考えています。仕事も、学生時代の勉強とまったく一緒。その仕事に興味を持ち、好きになったら、どんどん自発的に勉強するようになるものです。そして自ら学ぶ楽しさに気がつき、自分で物事を考えるようになったとき、人はさらに成長できるのです。
新潟市でガス会社を経営する一族に生まれたものの、自立心の強さから東京の大学に進学しました。戻って家業を継ぐ気は毛頭なく、修業をしていると見せかけるために卒業後は千葉のガス会社に就職。そこで10年勤める間にも何度か新潟に戻るよう打診があったのですが、そのたびに何かと理由をつけて断っていました。10年目で万策尽き、「戻るならば前向きに、楽しくやろう」という気持ちで家業を継ぐことを決意しました。
生まれ育った新潟の感覚と東京や千葉での経験をうまくミックスさせればいいと思っていましたが、戻ってみて初めて地方特有ともいえる閉鎖性に気がつきました。無理に変えようとしても反発が起こるだけ。それよりは自分が率先して体現することを心がけました。当時はガスの完全自由化が目前に迫っていたこともあり、これまでと同じやり方ではいずれ通用しなくなること、また少子高齢化が進み、地方は今後ますます人口が減っていくことが目に見えている中で、現状を打破するためには「ここに住んだら楽しそう」と思える街づくりをし、地域を活性化するしかないと考えました。

どうやったら地域の人が喜ぶかと想像しながら、当社のショールームで地元ラジオ局と一緒にイベントを行ったり、地元の商店と協働したマルシェを開催したり、料理教室やカルチャー教室を行ったりする中で、仕事に楽しみを見出す社員も増えてきました。今後はいかにこれを持続させるかが重要になってくると考えています。
仕事は人生そのものです。東京でも地方でも、やりたいことがあってもなくても、自分が前向きに楽しめる環境を探すことが大切なのではないでしょうか。仕事を楽しめるようになると、いろいろなことに興味を持つようになり、さらに成長することができる。このスパイラルに入るとますます人生が面白くなります。誰もが皆、高いポテンシャルを持っています。できない理由を探すのではなく、できる自分を信じて楽しんでいきましょう!