今年でバークレイズ日本法人は設立50周年を迎えますが、ロンドンの本店は329年の歴史があります。これだけ長く世界を舞台に存続している国際金融機関は類を見ず、その重みを感じながら日々仕事をしています。10年前のリーマン・ブラザーズ買収により、アメリカにも確固たる拠点を築くことができ、欧米の両大陸に非常に堅固なポジションをキープしています。グループの長い歴史から見れば東京はまだまだこれから。短期スパンではなく、『次の50年』というスケールで今後の展開を考えていきたいと思っています。
金融機関はお客様の悩みを聞き、解決策を提示する仕事。コンサルティングと似ていますが、バランスシートや資本を取り扱えることで、もう一歩踏み込んだ支援ができることが我々の強みです。AIやフィンテック、ブロックチェーンなど、次々と生み出される革新的なテクノロジーによって、銀行が何十年何百年と続けてきた領域との境界が曖昧になり、業態の垣根が下がりつつある今、お客様の今までになかったニーズを迅速に、包括的に捉えることが求められています。その中で結果を出すためには、経営者が現場の肌感覚を常に共有しておくことが重要です。私自身も社員と一緒に「次に来るものは何か」を日々考え、50年後もお客様の頭に一番先に思い浮かぶ名前が『バークレイズ』であるように、グローバルでスケールのある戦略を実行していきたいと思っています。

オリンピック開催を前に、世界は日本および東京の動向に注目しています。株式や債券のマーケットにもすでに多くの外国人投資家が入ってきており、金融のみならず自動運転や製薬、ゲノム業界、また観光分野での規制緩和によるインバウンドの増加、1800兆円を超える個人資産のアンロックなど、すべての経済活動がミックスされると大きな動きになるでしょう。東京都が進める国際金融都市構想にも将来的な可能性があると感じていますし、その中でバークレイズにしかできないことが数多くあると思っています。
我々が学生の皆さんに期待するのは、これまでの人生で培ったさまざまな経験のダイバーシティを会社で出してくれること。こちらから教えるだけでなく、私たちも皆さんから教わりたい。そうすることで会社の中が活性化していくと考えています。そしてデジタル世代のしなやかな強さを存分に発揮してほしい。皆さんの活躍を楽しみにしています!