現在、日本経済は諸外国に押され気味ですが、技術力の高さでは世界のどの国にも負けていないと思っています。私たちはこの技術力を武器に、世界と対等に渡り合うビジネスを展開しています。/p>
将来は国際関係の仕事で独立することを見据え、貿易商を志した私は、アメリカ留学後、現地の日系貿易会社に就職。経験を積んだのちに雑貨の卸売を行う会社を一人で立ち上げました。国内で少しずつ販路を広げ、スーツケースに商品を詰め込んでアメリカ全土をバスで回って必死に売り歩いたこともあります。とある米国有名百貨店のバイヤーからは「あなたは絵画で言うとまだ『個展』レベル。日本でもう少し実績を積んで『美術館』レベルになったらまた来なさい」と言われ、悔しさとともに、なんとしても国内で実績を作り、また必ず戻ってくるぞという強い気持ちが沸き起こりました。そこから16年の時を経て、インド産の最高級綿花を使ったタオルやイギリス製の湯たんぽなど、海外の高品質で『本物』と呼べる商品を国内に提案する卸事業をはじめ、E C事業、国際事業の3つを柱とする会社にまですることができました。
気持ちで負けていては世界と渡り合うことはできません。絶対に見返してやるという反骨心と、すべての人に感謝する心を常に持ち、一つひとつの仕事をコツコツと丁寧に積み重ねていくことで大きな信頼を得られるのです。最終的には血の通った「人と人」の関係性を作れるかどうか。そのためには、若いうちから色々な経験を積んでおくことが大事だと思います。
現在は、バングラデシュで受注した円借款によるプリペイド式ガスメーター26万台の設置事業を進めています。これまで円借款によるインフラ事業は大手商社やメーカーだけが参加するという考え方が一般的でしたが、我々のような中小企業による受注は過去に例を見ないものであり、業界では歴史的な快挙とまで言われました。とはいえ、決して特別なことをしたつもりはありません。大事だったのは気持ちで負けないこと、感謝の心、そして日々の努力の積み重ねでした。今、多くの方々の応援や協力を得られるようになり、可能性がどんどん広がっていくのを感じています。それは決して当たり前ではないと認識し、変わらず感謝の心を持ち続けながら、日本の技術力の高さを世界に発信していくために日々努力していきたいと思っています。