まずは自分から動き出してみる――。マーケット環境が激しい変化を繰り返して、ロールモデルという考え方が通用しなくなった今、こうした姿勢が大切なのではないでしょうか。
幼い頃から、私は、自分の道は自分で決めてきました。例えば、高校や大学の進学先といった決断も自分一人で行っています。両親の教育方針が、子どもの決断を尊重するスタイルだったことも大きく影響しているかもしれません。当時、私が両親に何かを相談しても、いつも答えは同じ。自分の人生はすべて自分で決めなさい、という返事でした。
しかし、自己責任のもと、数々の決断を重ねた経験は、その後の人生を切り開く上で大きな力となっています。
大学卒業後は、世界的な電機メーカーなどを経て、1992年にスタンフォード大学に留学。その頃のシリコンバレーには、インターネットやスマートフォンがすでに登場していて、多くの方が日常的に使いこなしていました。そうした風土の中で創業し、今では、世界的に大きな影響を与える企業も少なくありません。私も刺激的な環境に身を置きながら、とある真理に気が付きました。失敗は学びだという文化が強い企業を育てるのだな、と。
現在、当社が目指しているのは、「最高の顧客体験の創造」です。その実現のため、エンドユーザーの視点に立ったデジタルマーケティングが欠かせません。企業側が持つ商品や在庫、来店履歴といったデータ。顧客が持つ趣味や嗜好、検索履歴といったデータ。双方の莫大なデータを繋げて活用していけば、一人ひとりにあった提案が可能となります。デジタルマーケティングが当たり前になった先では、購買シーンそのものが変わっている未来も待っているでしょう。
これから社会に出る方々には、人がやっていないことをやってほしいと思っています。それが新しい時代を創る力にもなるでしょう。自分の未来は、自らの手で創っていく。その自覚を持った者だけが、次のステージへ進めるのです。誰もやっていないことをすると、失敗もするかもしれません。しかし、その中から学んで、成長をすればいいのです。いつまでも成功体験にとらわれない。その先へ行くには、どうすればいいのか。それを考え続けることで、成功を引き寄せられるのではないでしょうか。みなさんの手で、ぜひ新しい時代を創っていってほしいですね