私が現在の事業と関わるきっかけは、父の建設会社を継ぐための勉強として入った大手ゼネコンの現場でした。現場監督としての業務を通じて経験を積む一方で、若気の至りもありすぐに辞めてしまいました。その後、建設アウトソーシング会社に請われて、営業職として入社。大きな業績を挙げて二十代でグループ会社の雇われ社長に就任しました。しかし、会社をより良くするための改善提案が、社長という立場にも関わらずほとんど聞き入れられず、理想を実現するため独立を決意しました。
私は今も、事業をいかに良くするか、という方策を常に考えています。街を歩いている時、テレビを観ている時、レジャーの時でさえも、思いついたらすぐにスマートフォンにメモ。そしてアイデアは即断で実行に移します。当社には、指示したことだけではなく、自ら考えて私のアイデアに肉付けし、形にしてくれる社員達がいます。そんな才能ある人財に支えられ、当社は成長してきたのです。

一方で、組織が大きくなると属人的な能力だけで発展するのは難しくなります。いわゆる「スーパー営業マン」ばかりを揃えるのは現実的に難しい。創造性も大切ですが、最近は決められた仕事をコツコツ、しっかり仕上げる能力の価値も感じています。現在当社は10年後の2030年に売上1000億円、営業利益100億円を目標に掲げています。その達成のためには様々な適性を持つスタッフの能力を見極め、パフォーマンスを最大限に発揮する組織を作りあげることが大切なのだと思っています。
新型コロナは「仕事とは何か」を改めて考えさせられる出来事となりました。当社の強みである対面での「目配り・気配り・心配り」など、密なコミュニケーションが難しい社会情勢にあって、いかにスタッフの力を引き出すかは大きなテーマです。だからこそ業績が好調であっても、本当は怖さもあります。しかし、前を向いて進むしかありません。
これから社会に出る若い方々には「勇往邁進」という言葉を贈ります。目標や夢に向かって果敢に進むという意味です。コロナによる企業の採用減に見舞われ「なぜ私たちの世代だけが」と落ち込んでいる人は多いでしょう。しかしこの状況を受け入れたうえで、自分に何ができるか考え、一歩前に進んでみてください。あなたが活躍できる場は、必ず目の前に拓けてくるはずです。