予測不可能なことが起こる社会の中で、将来に不安を感じている人も多いと思います。私がいま言えるのは「目標に向かって、焦らず怠らず、真面目に一歩ずつ歩いていこう」ということ。途中でいいことも悪いことも起こりますが、着実に努力を積み重ねていきましょう。30代、40代、50代、自分がどういう人生を送りたいか、シナリオをしっかり描いて、そこに向かって一歩ずつ。とはいえ、なかなか自分の思い通りにはいきません。辛抱の日々もあるでしょう。そんなときは、達成できそうな身近な目標で1番を目指してみたらいいと思います。「笑顔だけは誰にも負けないでいよう」「出社の早さだけは会社で1番になろう」といったように。こうした小さな日々の積み重ねが目には見えない力となって蓄積されて、将来的に大きな差になっていくのです。
若い人に勧めたいのは早起きですね。私はもう30年以上、4時起きの生活を続けています。最初のきっかけは、始業前に3時間かけて、お客様のアンケートすべてに目を通すためでした。早起きは三文の徳。実践してみれば、この意味を実感できると思います。

月並みかもしれませんが、好きな言葉は「感謝」です。人は、一人では生きていけません。常に人とのご縁のなかで生きているのですから、感謝や助け合いの気持ちを忘れずにいたいと思います。2003年にNPO法人「イエロー・エンジェル」を、2007年に宗次ホールを創設したのも、みなが優しい心でいられる社会、お互いに助け合える社会を作りたいと考えたからです。
若い人に伝えたいのは「考えるより、まずはやってみよう」ということ。自分がやりたいと思うことやご縁をいただいたことは、とにかくやってみる。あれこれ考えたって、まずその通りにはなりませんから、スタートしてからがんばればいいのです。ときにはつらい思いをすることもあるかもしれませんが、価値のあるものは往々にして即効性がないもの。ですから、簡単に諦めないでください。
CoCo壱番屋の前身である街の喫茶店を始めたときも、明日のことを心配するより、今日目の前にいるお客様に喜んでいただくことに全力投球してきました。いたずらに将来を思い悩むより、いまを一所懸命やっていれば、自然と応援してくれる人が増えていくものです。自分を喜ばすことより、周りの人に喜んでいただけるのが一番の幸せなのでは?と思います。