清松総合鐵工株式会社 清松 芳夫
清松総合鐵工株式会社 代表取締役社長

清松 芳夫

Kiyomatsu Yoshio

氏名
清松 芳夫 (きよまつ よしお)
生年月日
1961年
趣味
読書
座右の銘
面白ろ可笑しく
尊敬できる人
松下幸之助

社名
清松総合鐵工株式会社
本社所在地
大分県宇佐市大字尾永井470-1
資本金
1,000万円(2020年4月現在)
従業員数
38名(2020年4月現在)
事業内容
鋼構造物の設計および施工・製缶、総合建設業
清松総合鐵工株式会社 代表取締役社長

清松 芳夫

Kiyomatsu Yoshio

まず先に考えるべきは、楽しいこと

私が両親の創業した会社「清松総合鐵工」を受け継いだのは、ある意味、「会社を潰すため」でした。大学院卒業後に就職した三井造船では、海外事業部で世界を相手にするやりがいのある仕事に従事。その後、1991年のバブル崩壊時に実家へ帰省し愕然としました。大分は景気後退の波が数年遅れていたこともあり、両親は約2億円の借金をして工場を建て替えていたからです。借金は私も保証人。このままなら早晩倒産、私は借金返済に一生を費やし、両親を恨み続けることになる。それなら自分の責任で潰した方が誰も恨まなくてよくなると考えました。

予想通り取引先が次々倒産する中、学性時代の伝手を頼り顧客を開拓。打開策となったのが商社との取引でした。当時は同業者のモラルに背くことでもあり批判を受けましたが、東京では当たり前のことで、数年後には大分でも主流となるとの確信があり、意に介しませんでした。

私が危機を乗り切れたのは「数年後」を示す情報に基づき、会社を牽引したからです。しかしこれは、現代では通用しない考え方です。情報がタダで大量に手に入り、経済のトレンドが横ばい、下降気味の時代に、情報は集めるだけでは無価値です。これからのリーダーは、情報を「発信」することこそ求められます。

清松総合鐵工株式会社 清松 芳夫

当社は例年、売上16億円程度でしたが、3年前、私がラジオ番組に出演した際に目標を聞かれ、当時流行していたお笑い芸人のフレーズに引っ掛けて「35億!」と答えました。翌日出社すると、社員が笑いながら「35億達成したら何をしてくれますか」と聞くので、これも思い付きで「ハワイに連れていく」。社員は「35億売ってハワイに行こう!」というポスターを貼り出し、目標から逆算した施策を実行、今年売上37億円を達成しました。ここにあるのは、情報に基づく予測ではありません。私自身が楽しみ、発信し、社員も楽しんで行動した結果です。人は楽しいときに最も力が出せるのです。ちなみに現在は、売り上げを追うことに違和感を覚えて「『イイね!』をためて宇宙に行こう!」と従業員満足度を目標に掲げています。

若い方々に「やるべきこと」などありません。大切なのはまず、楽しむこと、やりたいことを探すこと。嫌なことはやめればよい。そこには苦労もありますが、最終目的が「楽しい」ならば苦労も楽しいことに変わる。その先に成長があると私は思っています。