私が当社の最終的な目標にしているのは、商品やサービスをサプライヤーから消費者に届ける社会インフラとして担う事業です。例えるなら、あらゆる商品とサービスを届ける水道管のような役割。大きな夢ですが、経営者の夢の大きさは働く社員たちにとってのモチベーションとなります。また今の時代は技術の進歩が加速度的に早まっているので、未来を見ることはリスク管理の一環ですし、ビジネスの基本だと考えています。
未来を見るためには質の高い情報を仕入れること。そして質の高い人たちと交流していくことが大切です。私自身も人に恵まれ、学生時代からたくさんのいい先輩たちに囲まれながら刺激を受け成長してきました。自分が成長するかどうかは周りの環境次第ですから、それを自ら開拓するしかないのです。
私の場合、二十代の頃から異業種交流会を主催してパソナグループ代表の南部靖之さんやソフトバンク会長の孫正義さんなど、優れた先輩方と交わることができました。当然、その頃の自分はなんの実績もない人間です。いい意味でのプレッシャーはありましたが、常に自然体を貫いてきました。気負いすぎると長続きしません。浅く長く続けることが成功の秘訣だと思っています。深く思い込むよりも浅く長く続けるほうが実現力は高い。若い皆さんも無理して自分を大きく見せるのではなく、自然体、等身大を貫いてほしいですね。
現在はコロナが社会を大きく揺るがしていますが、近未来ではAIやデジタルトランスフォーメーションなど、たくさんの変化が訪れることでしょう。価値観も多様化し、働くことの意味すら変わってくるかもしれません。しかし、社会とは人間ありき。社会から必要とされる人物になる気概が何より大切なのです。どんな未来がやってこようとも社会や人の役に立ちたい、その思いからすべてが始まります。優秀な人でも「思い」のない人は成長しません。そして、その思いを作り上げるのは自分を取り巻く環境、つまり人間関係です。だからこそ短期的な視点ではなく、時間をかけ醸成していくような人との関係性を築いていってほしいですね。
激変する世界情勢ですが、未来は暗くなりようがないと思っています。世界がどう変化するのかを自ら考え、その新しい社会の中で自分が本当に何をしたいのかを掘り下げてみてください。その先に皆さんなりの明るい未来を描いていってほしいと思います。