企業の第一の目的は利益を上げることですが、真の目的はその先にあります。モノを作れば売れる時代はもう終わりました。これからの企業は、人々を本当に幸せにできるモノやサービスを提供し、社会貢献をしていかなければ存在意義はないと思います。私も自分ができることで少しでもステークホルダーを幸せにしたいという思いがあり、I S Oの取得やSDG’s活動に取り組んでいます。また、近々アメリカでメディカルデバイス事業を展開する予定です。
そうした行動力を培ったという意味でも、2度のアメリカ留学が私にとって大きな財産となりました。技術革新の真っ只中になるアメリカで最先端の文化に触れながら、あらゆるものに刺激を受けたのです。若いときに素晴らしい経験を積むことが、後のキャリアを形成する中で、”自分の本質“になっていくのではないでしょうか。
これから働き方はジョブ型に移行し、より成果が求められるようになっていきます。入社すればずっと面倒を見てくれる”ゆりかご“のような日本の会社は存在しません。そうなると、重要になるのは 自立です。自らゴールを設定して努力し、どんどん達成していくような自活できる力が必須になるでしょう。自分の考えを論理的に組み立て、他の人にわかるように説明するコミュニケーション能力も必要です。
若い人に伝えたいのは、「本当にやりたい事を見つけて、一生かけてそれをやろう」ということ。やりたいことが見つからない人は、思い切って未知の世界に”ダイブ“してみるのもいいかもしれません。日常から飛び出して旅に出てみるだけでも、大きな経験が得られるはずです。
MBA留学をしたとき、最初の授業でいきなり無人島に連れて行かれて、こう言われました。「いきなり右も左もわからない、何もない砂漠に落とされて、そこから判断し決断し、行動していくのが経営だ」と。
正しい決断ができるようになるためには経験が必要です。さまざまな経験をしてたくさん引き出しを持っていれば、どんな状況になっても自分でなんらかの判断を下して進んでいけます。でも、同じような経験ばかりしていたら、いつまでたっても引き出しの数は増えません。経営に限らず、人生も決断の連続です。ですから、どんなときでも正しい決断ができるようにたくさん勉強し、たくさん経験を積んでください。