私がこの会社を立ち上げたきっかけは、勤めていた企業の「倒産」でした。初めて就職した会社が27歳のときに突然倒産してしまったのですが、当時の同僚と「もう一度みんなで仕事をしたい!」と決意し、会社を立ち上げることになったのです。
しかし、会社を立ち上げてからは苦難の連続でした。起業後すぐにリーマンショックが訪れ、やっと乗り越えたかと思えば東北大震災が発生。私たちの業界は長い不況に陥りました。広い事務所には自分一人だけです。そんな期間が2年間続いたこともあります。精神的にも辛い時期が多かったですが、それでも会社を継続できた理由は大切な仲間がいたから。「諦めたらそこで試合終了」と、自分を信じてついてきてくれる仲間がいるから絶対に諦めない。その一心で不況を乗り越えました。その結果、ここまで会社として大きく成長できたのだと思います。

当社は商業施設内や店舗内の設計、計画、デザインを手掛ける内装業に特化しています。業界内では珍しいのですが、4年ほど前からリモートワークを取り入れており、年間休日数も130日程度あります。ブラックと呼ばれがちな業界ですが、業務の効率化を図り、取るべき休暇をしっかりと取ってリフレッシュできるような環境を率先して整えていきたいですね。私は仕事をするにあたり、他業種の方々との交流や出会いを大切にしています。自分たちの労働環境を改善しようと思ったきっかけも人との縁でした。他業種の方々から、リモートワークの必要性や方法を教えていただき導入の足掛かりに。固定概念にとらわれないためにも、さまざまな人と出会い、外の世界から自分を見つめる。仕事にはそんな時間も大切だと感じています。
人生において、人は多くの時間を仕事に費やします。そんな中で皆さんに大切にしていただきたいことは、仕事とプライベートのバランスを保つことです。仕事ばかりに重点を置いてしまうと、本当に大切なことを見失ってしまいます。仕事は生きていくための糧ですが、人生の本質的な幸せは家族や友達、仲間と共に過ごす時間の中にあるのではないかと私は思っています。プライベートの時間が充実しているからこそ、仕事にも身が入るものです。そして働くからには、自分にとってやりがいのある仕事をする。仲間と楽しく働ける仕事をする。そんな仕事の見つけ方、取り組み方を皆さんにはしてほしいですね。そうすることで仕事もプライベートも充実した、幸せな人生を送ることができるのではないでしょうか。