壱番屋の成功の秘訣は、徹底した現場主義と地道な努力に他なりません。会社経営をする中で「お金儲けをしたい」と考えたことは一度もありませんでした。「ただただ目の前のお客様に喜んでもらいたい」、その一心だったのです。
仕事一筋の人生でしたので、プライベートの交友関係はほとんど広げず、遊びにも目もくれず経営努力をし続けました。毎日の仕事が本当に楽しくて、目標を達成しては次の新たな目標を立てて邁進する。お客様の声をしっかりと聞き、食べに来て下さる方への感謝の気持ちを忘れない。やるべき企業努力をした結果が、壱番屋の成長につながったのだと感じます。私は53歳のときに経営から身を引きました。壱番屋には未来を託せる優秀な後継者がいる。ならば、その次の世代にバトンを渡すべきだと考えたからです。信頼できる後継者に会社を委ねられたことは、創業者にとって幸福なことでした。
そして引退後は、学生に奨学金を給付(返済不要)したり教育施設に楽器を寄付したりなど、社会貢献活動に力を入れています。世のため人のためになる活動を続けていくことが、第二の人生での使命と考え活動しています。

現状に満足したままでは、人はいつまでたっても成長はできません。常に目標を持ち、過去の自分を超えられるよう努力することが大切です。成長し続けるためにも、若いみなさんには「時間を有効活用すること」を意識してほしいと思っています。現代は、ワークライフバランスという言葉が多くの場所で叫ばれるようになり、私たちの世代よりも労働時間は短く、そして休日は多くなりました。もちろん適度な息抜きも大切ですが、周りの人よりも飛躍したいと考えているのであれば、休日をただ遊んで過ごしたり、何も考えずに過ごしたりするのではなく、自己成長のための時間と捉えることが大切です。副業が可能な会社であれば、副業で個のスキルを磨くのはどうでしょうか。多くの書物を読み、知識を蓄えるのもおすすめです。
私も「毎日必ず早起きをする」という努力を長年続けてきました。早起きすることによって生まれた時間を自己学習の時間に充てたり、社会貢献の時間に充てたりなど、プラスアルファのことを行えるよう心がけています。壱番屋で経営をしていた時代には朝の時間を有効活用して、月間3万通ものお客様の声に目を通しました。常に「自分には何ができるか」を問いながら、日々生きることで、人はいくつになっても成長し続けられるのです。