当社は、ヘルスケアとエネルギー事業を柱に据え、人々の健康に寄与することを目的に成長を続けてきました。中でも、二つの”奇跡“を起こしたいという思いを胸に、覚悟を決めて行動していましたが、『バイオジェット燃料で飛行機を飛ばす』という一つめの奇跡は、21年３月に『サステオ（SUSTEO）』と名付けたバイオジェット燃料を完成させ、２回のフライトに成功。達成することが叶いました。こういった誰も成し遂げていないこと、”０→１“を生み出すことができるのは、我々のような比較的若い会社の強み。だからこそ、今後もそれを加速させ、スモール・アーリー・サクセスを積み重ねることで、大企業が参入しやすい環境を構築できればと思います。一方、もう一つの起こしたい奇跡『バングラデシュとロヒンギャ難民の栄養問題を解決する』に関しては、今後の達成をめざして絶対に諦めないと心に決めています。

日ごろ、自分が大切にしているモットーは二つ。まずは『調身・調息・調心（ちょうしん・ちょうそく・ちょうしん）』という座禅の教えです。姿勢や呼吸を調えることを大切にする。座禅を始め、この言葉を住職に教えていただいてから、『急がば回れ」という意味が腑に落ちました。そして、二つめは『やるまで諦めない』ということ。ユーグレナの食用屋外大量培養も、バイオジェット燃料でのフライトも、ずっと無理だと言われ続けてきたものです。失敗も数多く経験しましたが、どちらも実現に至ったのは諦めなかったから。これに尽きます。不安を抱くこともありましたが、覚悟を決めてやり切ると決めたなら、迷わない。これからもそのスタイルを変えずに邁進していきます。

これから社会に出る若い方々には、未来の同士として『Get out from the comfort zone（居心地のいいところから抜け出す）』という言葉を贈りたいと思います。皆さんに必要とされているのは、アントレプレナーシップマインド（起業家精神）を持つこと。そのために必要な驚きや感動、新しい発見は日常生活の延長線上には見つかりません。居心地のいい場所を飛び出し、悔しい、恥ずかしいといった強烈な体験をして、自分のやりたいことや目標を磨いてみてください。そして、それが見つかったときには、恥ずかしがらずに周りに伝えて仲間を増やしてほしい。一人で出来ることには限界がありますが、仲間と一緒なら可能性が無限に広がるはず。奇跡は目標とする夢があり、さらに仲間がいるときに起こるものですから。自分を支えてくれる周囲の人々の存在は、やがて大きな財産になっていくことでしょう。