私が会社を立ち上げた理由の一つは、自分のやりたいことを形にしたかったからです。そして、頑張った人が評価される会社環境をつくりたかったことも起業を考える原動力になりました。弊社の主な事業は、プロスポーツ選手や会社経営者、個人事業主、芸能関係の方々へ住宅ローンのフラット35をご提案すること。個人事業主の方々はローンが通りづらい傾向にあります。私はマンション販売会社で働いていた時代に、フラット35の存在に出会いました。そしてこれを使えば、もっと多くの人が住宅ローンを組めるのではないかと思い起業を決意したのです。弊社の強みであるスピード・対応力・提案力を活かし、「諦めない姿勢」でお客さまがローンを組めるよう、多角的なアプローチをし続けてきました。利益も大切ですが、それはあくまで手段です。「ベストな提案をし、顧客の信頼を得る」ことを目的としてきたのです。
起業の際には、社員の頑張りがきちんと給与に反映され、かつ会社として利益をしっかり残せる仕組みづくりに尽力しました。社員がいて会社があるので、利益だけを重視してしまうとバランスが崩れてしまいます。携わっている人たちをバランスよく配置し、能力を活かし、努力を認める。若い頃は、芸能人のマネージャーを務めていたのですが、その時代に培ったバランス力が今でも活きていると強く感じています。

若い人たちに伝えたいことは、「成長への意識を持ち続ける」ということです。社会に出て働きはじめた1年目は何もかもが新鮮で、仕事を覚えようと必死で努力することでしょう。ですが3、4年目になると、ある程度の仕事や立ち回り方を覚え、手を抜いても仕事がこなせるようになっていきます。この時期に成長を止めてしまう人が多いのです。3、4年目以降も成長し続けるには、己を律し続けなければなりません。
また、やりたいことと得意なことは別物だと私は考えています。自分の得意を見つけ、その得意を伸ばしたほうが効率的ですし、成長スピードも速い。得意なことを見つけるためには、とにかく色々なことにチャレンジしないと何も始まりません。とくに若い頃は「自分が正しい」と思いがちですし、私自身も昔はそう思っていました。ですが、自分中心の考え方を持ちすぎると独りよがりになってしまいます。もっと周囲に目を向け、新しいことに興味を持ち、トレンドや知識を取り入れていくこと。そうした積み重ねが自分の得意を見つけていくことに繋がり、いくつになっても成長し続けられる人になっていくのではないでしょうか。ぜひ皆さんも、そんな心構えで挑戦を続けてください。