当社は”シゴトでココロオドルひとをふやす“というビジョンを掲げ、人と会社を結ぶビジネスSNS「Wantedly」の企画開発、運営をしています。「Wantedly」は、給与や福利厚生といった条件だけが並ぶ従来の採用のプラットフォームとは異なり、その企業のビジョンやバリュー、経営理念にフォーカスする形を取っています。そこには、『仕事に夢中になれる人を増やしたい。不本意ながら嫌々働くのではなく、面白さを感じながら没頭できる仕事に出会ってほしい。社会的地位や経済力などはその結果、あとから付いてくるものだという考えの新しい文化を作っていきたい』という想いがあります。

ですが、ビジネスというのは想いが先行するとうまくいかないもの。利用者に使ってもらえるかどうか。マーケットフィットが一番大事なことです。今、定番となっているSNSメディアも、もともとは別サービスの一機能からスピンアウトしたものが多く、大体は意図していなかった副産物が成長していることが多いです。

実は「Wantedly」も立ち上げ当初は、今とは全く異なる実名制のQ&Aサービスでした。人と人との繋がり、ソーシャルグラフを活用したサービスが面白いのではないか、というコンセプトは変わりませんが、いろいろ試したなかで残ったのが今の「Wantedly」。サービスがスケールしメンバーが増える中で、方向性を一致させるためにも、私がもともと持っていた”仕事は面白くあるべき“という考えを理念として共有していきました。

スタートアップの最初からヒットさせようと狙って当たるものは少ない。そう考えると、何かアイデアがあって実行しようか迷っているなら、まずはやってみることが大事なのではないでしょうか。

現代社会は、外的環境がとても変化しやすく、何か計画を立ててもその通りに進むことは、ほとんどありません。それを打開するには、まずやってみるしかないと思います。私自身、学生時代に一度友人と起業していますが、それは見事に失敗しました。その後入社した外資系投資銀行、初期メンバーとして参加したFacebook Japanでの経験も含めて全部、一度きりの人生、自分が面白いと思うことをやるだけやってみようという想いが根底にはありました。

まずは挑戦してみる。大きく深呼吸して、水の中に潜ってみるというイメージです。やってみることで、問題点も見えてくるはずですし、それにひとつずつ対処していたら、振り返ったときにはかなり遠くまで進んでいた。そういうことも往々にしてあるのではないでしょうか。迷ったときには、勇気をもって一歩を踏み出してみることをおすすめします。