城北化学工業株式会社 大田 友昭
城北化学工業株式会社 代表取締役社長

大田 友昭

Ota Tomoaki

氏名
大田 友昭 (おおた ともあき)
生年月日
1964年
趣味
水泳、スパイ映画鑑賞
座右の銘
Truth Alone Triumphs(真実のみが勝利する)
尊敬できる人
ウィンストン・チャーチル

社名
城北化学工業株式会社
本社所在地
東京都渋谷区恵比寿1-3-1朝日生命恵比寿ビル5F
従業員数
110名
事業内容
精密化学品の製造販売業
城北化学工業株式会社 代表取締役社長

大田 友昭

Ota Tomoaki

今こそ、自分の殻を打ち破ってみよう

コロナ禍に起因するサプライチェーンの混乱は、私たちが携わるものづくりをはじめ、あらゆる産業に影響を与えました。その中にあって当社は、平時から安全在庫を確保する経営を心がけていたことから供給が途切れることなく、業績を上げることができました。リーマンショック、東日本大震災など未曽有の事態を経営者として経験する中で、在庫を減らす経営がもてはやされてきた業界の常識を疑い、先手を打てたからだと考えています。

「予測が正しかった」と、ことさらに誇りたいわけではありません。私の経営を振り返れば、むしろ失敗や思い違いのほうが多いくらいです。変化が激しい時代には、既成概念に基づき「わかったつもり」になっても、すぐに新たな事象が発生し修正を余儀なくされます。それが経営というものなのです。

会社のために良いと直感したことは即実行し、間違いに気づけば何度でも修正する。その繰り返しの結果が今なのだと思います。

城北化学工業株式会社 大田 友昭

経営は船のかじ取りに例えられます。大きな船は急には曲がれず、天候や波の状況などを読みながら細かく操縦し、ゆっくりと全体の進行方向が決まっていく。社員という多くの乗組員の人生を預かる経営者として、今後も気を引き締めて事業に邁進していきたいと考えています。

絶え間ない状況判断の材料となるのは情報に他なりません。通信技術の発達により、私たちは世界中の情報を簡単に手にできるようになりました。私も、過去に留学した米国をはじめ、欧米やアジアなどの知人から、オンラインでもたらされる情報を大いに頼りにしています。ただし、大量の情報をもとに直感し、思考し、行動するのは自分自身です。だからこそデジタルに翻弄されるのではなく、自らのものとして駆使することこそが大切だということです。話題の「DX」の概念も、デジタル技術でビジネス、そして個々の人生を豊かな方向に「転換」する、という意味で理解すべきでしょう。

コロナ禍では、移動の自由が制限され、若い方々にとっても大変な困難だったと思います。しかし、その経験は無駄ではないはずです。私たちはこの危機にあっても、コミュニケーションの在り方や働き方など、多くの気づきを得ることができました。過去に類例のないこの事態を若い感性で経験した皆様から、社会を変革する新たな発想が生まれるものと確信しています。

ほどなく自由に動ける時が来るでしょう。その時は、自分の「殻」を脱ぎ捨て、失敗を恐れず何でも挑戦してほしいと思います。