当社はこれまで全国のお客様に向け、安全·安心·快適なカーライフメニューを提案してきました。昨今は「若者の車離れ」も取り沙汰されるようになりましたが、売上や利益は順調に推移しています。いつの時代も動じることなく、お客様の要望に応じて誠意あるサービスを続けていくことが重要でしょう。
私が入社した当時は会社が急成長していた時期でもあり、新規事業も次々と立ち上がりました。現場にはさまざまな業務が舞い込み、気後れしてしまう同僚たちがたくさんいたことを思い出します。しかし私は前向きな姿勢で挑戦し、「全て断らない」という気概を持って取り組んでいきました。経験のない仕事をすることは、違う世界を見ることでもあります。だからこそ私にとっては、仕事は楽しいことでしかなかったのです。
2008年、私は会社の業績が非常に厳しい最中、代表取締役社長に就任しました。これまでの企業文化を失わず、社員を守っていくためには「私がやるしかない」と覚悟を決めたのです。

赤字から脱却するため、介護事業や中古車販売事業などの多角的な経営をストップしました。本業に注力し、常態化していたサービス残業や土日出勤、年に2回もあった人事異動も廃止。さまざまな改革に取り組んだ結果、おかげさまで業績は黒字に転換し、社員の給与アップなど待遇面でも大きく改善することができました。職場にも活気がみなぎっています。
私はこれまで、「社員が定年退職するまでずっと働き続けられる会社」を目指し、そのための経営に努めてきました。とはいえ、働き続けてもらうために安易に挑戦を続ければいいとは思いません。なかなか先の見えない時代が続いていますが、現代は新しいことに挑戦することへの評価が高過ぎるように思えてならないのです。新しいことに挑戦をすれば良いのではなく、過去から培った経験やノウハウをちゃんと活かし、それらを土台に新しい挑戦に向かうことが大切だと私は考えています。それは働き続ける上でも必要なことでしょう。
また物事を成功に導くためには、どうしても譲れない自分の軸を作り、それを貫くことも重要です。リーダーと呼ばれる多くの方々にも、そうした軸や資質が備わっていることでしょう。だからこそ、組織の中で重宝される人材になれるのです。
最初は漠然とした願望でも構いません。自分はどうしたいのかを改めて見つめ直し、冷静に考えてみてはどうでしょうか。漠然とした願望も、いつか明確な目標へ変わり、自分の軸を持って挑戦を続けることができるはずです。それが大きな成功にも繋がっていくことでしょう。